投稿者アーカイブ:岡本全勝

職場のストレス

2023年9月26日   岡本全勝

9月12日の日経新聞に「高ストレス社員 対策急ぐ」が載っていました。詳しくは記事を読んでください。

・・・働く人々にかかるストレスが過去最悪の水準に達している。周囲の支援が不十分な高ストレス者の割合は、80万人分を調査した民間のストレスチェックで2022年度に1割を超え、比較可能な18年度以降で最も高くなった。特に深刻なのは30代。累積する業務の多さなどで疲弊している。休職者の増加が組織をむしばむとあって、企業も対策を講じ始めている・・・

職場のストレス悪化は、世界的だそうです。世界1万人の労働者を対象とした調査では、「燃え尽き症候群を感じた」との回答が、42%に上ったそうです。心身の過度の疲労によって勤労意欲を失うことを、燃え尽き症候群と呼ぶようです。

新型コロナ対策の検証、行政の課題

2023年9月25日   岡本全勝

新型コロナ対策の検証、市民の行動変容」の続きです。この記事は、日経新聞が行うコロナ対策の検証特集に載っています。新型コロナウイルス感染症拡大は、大きな事件・事態であり、検証は多角的に行う必要があるでしょう。各分野における精密な検証とともに、全体を見た簡潔な検証も有意義です。多くの人は、前者は読まず、後者なら読むでしょう。

私は行政に携わった者として、新型コロナ対策の一連の政府の対応のうち、まずは次の3つを総括すべきと思っていました。
1 政府本部の危機管理運用(被害者救済、被害拡大防止)
2 政府と自治体との共同・役割分担
3 政府から国民への働きかけ

もう一つ上げると、
4 治療に当たる医療機関との関係です

いろいろな検証が必要ですが、行政組織の運用を考える際には、まずはこの3つを検証する必要があります。
誰が、どのように行うかです。まずは、現実がどのようになっていたかの証言です。2と3は部外からも見えますが、1は関係者しか分かりません。全体を話すことができる人はいるのでしょうか。実は、ここに今回の行政の問題があると思います。

紙面の隣に載っている「体制不備」の中で、仕組みを作っても動かない恐れが指摘されていますが、これも大きな問題です。
自治体は、新型インフルエンザの行動計画を作っていたのです。しかし、あまり役に立たなかったようです。災害対策も、計画だけでは現実に起きたときには、なかなかうまく動かないのです。大部の計画書より、実働の訓練の方が効果があります。
しかも、実際の災害では、いろいろ条件を設定した訓練では見えなかった問題が出てきます。大きな災害は困りますが、小さな災害が起きると訓練になります。

子どもが不登校になったら

2023年9月25日   岡本全勝

9月12日の朝日新聞教育欄に「親の苦悩、同じ立場の人とつながって 娘が不登校、臨床心理士の鈴木晶子さんに聞く」が載っていました。

・・・もし我が子に「学校に行きたくない」と言われたら、あなたならどう対応しますか? 臨床心理士で、不登校やひきこもりの当事者や保護者らを長年支援している認定NPO法人「フリースペースたまりば」(川崎市)の事務局次長・鈴木晶子さん(45)は、娘が不登校という当事者でもあります。自身の経験も踏まえ、親が同じ立場の人とつながることが大切だと言います・・・

子どもが不登校になったら。親や周りの人はどのようにしたら良いか、分かりませんよね。学校でも世間でも、教えてもらっていません。これまでの学校教育は「よい子に育てる」を目標としてきたので、そこから外れた子どもを考えてこなかったのです。
それは、職場でも同じです。良い職員や社員を育てる研修はあったのですが、そこから外れた社員をどのように指導するのか、これまでは研修内容に入っていませんでした。でも、「良い生徒」も「良い社員」(これらは組織の側から見た評価です)も、教師や上司には手がかからないのです。

2023年スペイン旅行7

2023年9月24日   岡本全勝

2023年スペイン旅行6」の続きになります。

16世紀中頃から17世紀前半までの約80年間は「スペインの黄金時代」と言われますが、どうしてその後に没落したのか。歴史のあるいは政治の大きな主題です。
ヘンリー・ケイメン著『スペインの黄金時代 』(2009年、岩波書店)が本の山から発掘されたので、読んでいきました。かつて読んだ『リシュリューとオリバーレス―17世紀ヨーロッパの抗争』(邦訳1988年、岩波書店)は、内容を覚えていません。反省。現地の案内人も、いくつか説を教えてくれました。私の理解では、次の通り。

・全世界に領土を持ち、ヨーロッパでも各地に大きな領土を持っていたので「帝国」とよばれるが、実体はそんな強い国ではなかった。スペイン国内やヨーロッパでの領土は、それぞれ独自の国であって、国王が兼ねていたから帝国と見えたこと。自らは「帝国」とは名乗らなかった。
・国外の領土は、戦争で獲得したのではなく、婚姻によって手に入れたものであった。それらを強権的・統一的に支配し、徴税や徴兵を行えたわけではなかった。新大陸は、当初は植民地でもなかった。
・新大陸からの金銀がスペインの繁栄をもたらしたが、それは政府が抱えた多額の借金(戦争費用)の他国の金融機関への支払いに消えたこと。そして国内の産業振興に使われなかったこと。
・カタルーニャなどにおいて行政機構を整備することには成功したが、国内の農業や産業は、一部を除き振るわなかったこと。
・財政や金融を担っていたユダヤ人を追放したこと。

歴史の見方」。『スペイン帝国の興亡』(邦訳1982年、岩波書店)は、まだ机の上に眠ったままです。

マイナ保険証の誤登録件数

2023年9月24日   岡本全勝

9月8日の日経新聞オピニオン欄に、中空麻奈さんの「「本末転倒」があふれる日本社会」が載っていました。詳しくは原文を読んでいただくとして、次の指摘を紹介します。ほかの所でも指摘している人がいました。

・・・マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせるマイナ保険証への切り替え問題もそのひとつ。誤登録件数は8441件(8月8日現在)に達し、救い難いシステムではないかとも思えてしまう。
しかし、マイナ保険証の利用登録は6633万件(8月20日現在)で、誤登録割合は、0.013%・・・

そうなんです。しかも、この件は機械化したので、間違い件数が把握できていますが、手書きだとどれくらい間違っているかも把握できないのです。報道機関も、もう少し広い視野で報道して欲しいですね。