投稿者アーカイブ:岡本全勝

2007.06.02

2007年6月2日   岡本全勝

ある地方公務員の隠れ家」 というブログが、このHPを紹介してくれました。匿名のHPには「関わらない」ことにしていますが、今回は作成者が実名で連絡してこられたので、ここに紹介します。

眼の誕生

2007年6月2日   岡本全勝

眼の誕生―カンブリア紀大進化の謎を解く」アンドリュー・パーカー著(草思社、2006年)が、面白かったです。
35億年の生物の歴史で、5億4300万年前・カンブリア紀に、なぜ生物が爆発的に進化したのか。NHKテレビでも紹介された、あのバージェス頁岩の奇妙な動物たちです。この本は、その理由を「眼の誕生」、すなわち光を感覚としたことにあるとしています。それまでは、近づいてくる食物を食べていたのが、目を手に入れることで、目標を見分けることができるようになったのです。すると、食われる方も身を守る必要ができ、まさに食うか食われるかの闘いが始まりました。攻撃と防御の「軍拡競争」が始まったのです。軍拡競争から逃れ、身を隠す生物も出ました。
学会でどこまで賛成を得られているのか知りませんが、なるほどねえと、納得しました。このような本は、寝る前に布団の中で読むのですが、楽しく読めます。それに比べ、本業の本・副業の本は、なかなか進みません。

公務員制度

2007年6月1日   岡本全勝
日経新聞「やさしい経済学」は、清家篤先生が「人的資本」を連載しておられます。
・・企業特殊的な生産能力の向上と、それに対応した長期雇用は、「人的資本」の主要概念だった。この特殊性は、最近の公務員制度改革を考える際にも重要な意味を持つ。というのは、もともと民間ではできない仕事を公務員が行っているとすれば、その仕事能力は公務部門でのみ役に立つ特殊な種類のものと考えられるからである。
典型的な例として、国の予算作成といった仕事をするための能力は、民間ではあまり使えそうにない。そうした高度に公務特殊的な能力を高めるための費用は、国、すなわち国民が負担しなければならない・・
公務員が民間ではできない特殊性のある仕事能力を磨いてきたとすれば、彼らが民間に転職することは容易ではない・・そうした公務員には、最後まで公務員として仕事をしてもらわなければならない。
もちろん公務員の中にも、民間企業で役立ちそうな能力によって仕事をしている人もいる。たとえば経済分析といったような仕事をする能力は民間企業でも使えそうだ。そうした仕事に従事する公務員なら、比較的容易に民間に再就職できるかもしれない。しかし、よく考えてみれば、民間でもできる仕事なら、それをわざわざ公務員にやってもらう必要はなく、外注すれば良いともいえる・・
こう考えると、公務員制度改革の柱が、民間企業への再就職支援制度というのは、やはり変である。むしろ改革の中心は、職業生活の最後まで、安心して公務員として仕事をしてもらえる制度(適切な年金制度も含む)をつくることであるべきだ・・・

非官僚政権

2007年5月31日   岡本全勝
30日の朝日新聞変転経済は、「小泉構造改革」「非官僚でやるしかない。始まりは00年の裏官邸だった」です。
・・バブル崩壊後、改革を一向に進められない政府・与党に国民は失望していた。そこに登場したのが「自民党をぶっ壊す」と宣言する小泉純一郎だった。変人宰相に期待する学者や経済人らが政権に集まった。官主導経済を壊そうとする、初の本格的な「非官僚政権」の試みは、しかし未完に終わる・・
牛尾治朗さんの発言から。
・・郵政民営化こそ彼(小泉総理)の政治信条。総理になるのは単なる手段だった・・05年に郵政民営化が決まり、そこで「おれの出番は終わった」という気持ちになったと思う。
小泉後の政権は、グライダーのように勢いで飛んできたが、第2のエンジンが出ていない。リーダーにとっては難しい時代だ。小泉改革は不良債権処理や郵政などの国内問題ですんだ。いま立ちはだかるサブプライム危機、原油などの資源高騰、食糧不足などのグローバルな問題は、国内の民営化だけでは乗り越えられない・・

分権委員会・基本的考え方

2007年5月31日   岡本全勝

地方分権改革推進委員会が、30日に議論の方向を示す「基本的な考え方」をまとめました。内容については、各紙が伝えています。31日の朝日新聞では、坪井ゆづる編集委員が、次のように解説しておられます。
いったん停止していた分権改革が動き出した。地方分権改革推進委員会が、「地方政府の確立」「条例制定権の拡大」を柱とする基本的な考え方をまとめた。経済財政諮問会議と連携しながら、国と地方の役割分担の見直しを突破口にする構えだ。権限と定員、財源を削られる中央省庁とのせめぎ合いが再び熱を帯びる。
これまでの分権改革では、補助金を廃止して、それに見合う税源を自治体に移す論議が主役だった。だが、今回の「考え方」には、補助金廃止の文言も、税源移譲の目標額もない。その代わり、まずは国と地方の役割分担に焦点を当て、政府の出先機関の廃止、縮小にとりかかる。
各省の出先機関には約21万人の国家公務員がいる。自治体の仕事との「二重行政のむだ」を指摘されており、分権委で自治体に仕事と同時に権限も渡していく発想だ・・・役割分担と定員を絡めた協議は難航が必至だが、丹羽委員長は分権委で素案(諮問会議民間ペーパー)を取り上げると明言。丹羽氏を接点に、分権委と諮問会議が二人三脚で取り組む姿勢を鮮明にした。
「考え方」は「思い切った税源移譲」を唱えるが、地域格差を埋める地方交付税のあり方など、財政調整にはほとんど踏み込んでいない。この問題でも、経済財政諮問会議の民間委員が先行して提言・・「法人2税を地方交付税の財源にして、その同額の消費税を地方に渡す」など3案を書き入れ、「税源移譲の際の偏在を拡大させない方法を自治体も提案すべきだ」とした・・・
読売新聞では、青山彰久編集委員が「地方政府目標に。税財源、具体策見えず」として解説しておられます。
・・目を引くのは、地方自治体を「自治行政権・自治財政権・自治立法権を持った地方政府」とすると掲げた点だ。自治体について「地方政府」とする表現は、政府関係文書では例がない。住民と首長と議会で構成する自立した組織という意味があり、分権の目標として新鮮な響きがある。
・・政省令を条例で書き換える権限を設ける考え方は、政策決定の一部を地方主体で行う意味があり、大きな問題提起になりそうだ。国の出先機関の縮小・廃止という方向は、25日の経済財政諮問会議で民間委員が・・・具体案を提出しており、現実的な課題に発展する可能性がある・・
「これまでの改革で各省が同意できる範囲のことはやってしまった。この間、各省はどう抵抗すればいいかについて、知識も経験も積んでいる。今度の委員会は改革案を提案する場だと割り切り、最後の決断は主要な政治家が行う仕組みにしなければならない」旧地方分権推進委員会の委員だった西尾勝氏の指摘だ・・・