投稿者アーカイブ:岡本全勝

歴史認識と報道

2008年4月22日   岡本全勝
21日の朝日新聞に、独仏合同テレビ幹部の発言が載っていました。ドイツとフランスの公共放送同士が、共通のチャンネルを立ち上げ、一緒に番組を作っています。かつて戦争を繰り返した隣国同士です。言葉と文化も違うという指摘に対し、そもそも文化の定義が違うこと。フランス人の文化は、美術、音楽、演劇だが、ドイツ人にとっては政治経済や社会問題も含むと答えています。
日本やアジアでは、そのようなことは、いつか可能でしょうか。

税制改革の議論

2008年4月21日   岡本全勝
読売新聞18日、近藤和行編集委員の「政府税調、議論進めず。消費税上げ、唐突感に国民の反発も」から。
・・政府与党は、消費税を含む税制改革の議論を、7月の参院選まで封印することを決めており、調査分析に徹する政府税調の姿勢は、それに足並みをそろえているだけとも言える。また、消費税は過去に政治問題化したこともあり、「参院選の争点にすべきではない」(自民党税調会長)との主張にも一理はある。
しかし、安倍首相や与党は、ともに消費税引き上げなど抜本改革のスケジュールについて、「来年度改正の中で全体像を明らかにしたい」としている。その場合、実質的な議論の期間は、夏休み明けの8月下旬から12月中旬まで、わずか3か月余。消費税率引き上げという事の重大さや、過去の導入・税率引き上げ時に比べ、極めて短時間での政策決定になる可能性がある。
・・選挙戦術上、与党が消費税に関する発現を封印するのはともかく、政府や政府税調は、税制改革への取り組みや課題を、もっと前倒しで発信すべきではないか。

かつて国道は県が管理していた

2008年4月21日   岡本全勝

21日の読売新聞社説は、「地方分権改革、政治主導で権限を移譲せよ」でした。
・・地方分権で具体的な成果を上げるには、官僚任せにはできない。政治主導を徹底すべきだ。福田首相は、「各府省の対応は不十分」としたうえ、全閣僚に対し、「政治家としての判断をしてほしい」と分権委に前向きに協力するよう指示した。国土交通、農水、文部科学などの関係閣僚は、首相指示を真摯に受け止めねばならない。自らの役所の代弁者ではなく、地方分権を推進する内閣の一員としての立場で発言、行動すべきだ。第1次勧告の焦点は、国直轄の一般国道や、各都道府県内で完結する1級河川だ。それぞれの管理権を国から都道府県に移譲することを、明確にできるだろうか。一般国道の管理は高度成長期まで、すべて都道府県が機関委任事務として実施していた経緯がある。国でなければできない、という理屈は成り立たない・・

パラサイト・ミドル

2008年4月20日   岡本全勝

19日の朝日新聞に、三神万里子信州大学客員准教授が、「パラサイト・ミドル。若手の成長遅らせる原因に」を書いておられました。
・・近年、日本企業の間で、若手社員の対人能力や行動力に不満を抱く様々な調査結果がでているが、中堅のもたらす弊害にも着目したい。・・発端は「45歳を境に現場の情報をゆがめる。波風を立てずに退職まで過ごそうとするためで、企業の動きが遅れる」という現場の声にある。大企業では、若手の成長機会が遅れるキャリアの足踏み現象が起きている。高齢化と年金受給年齢の引き上げに伴い、定年延長の動きから、意思決定権限が高齢層に移っているためだ。55歳定年制が一般的だった80年代は、日本の部長職の平均年齢は40代だった。しかし現在、就職後20年を経ても、上場企業の平均値では42歳で係長であり、45歳で課長に届かない。他の先進国や中国、インドなどの成長国では、45歳といえば経営層の年齢である。福井県の繊維メーカー、セーレンは80年代後半からこの問題に策を講じ、下請け繊維加工業から短期間で世界企業に脱皮した。変革当時から陣頭指揮をとる川田達男社長は語る。「社員個々人の意識改革では限界があった。効果が出たのは、昇進するほど働かなくなる中間管理職の評価方法を変えてからだ」。中高年は、大組織に所属していることを実力とはき違え、若手は、組織内の同僚や上司との比較で自分を測っていないか・・
とても刺激的な指摘です。原文をお読みください。

審議会と省庁折衝・政策の決まり方

2008年4月19日   岡本全勝
先日、中教審に関して「省庁間の調整」を書きました。朝日新聞の4月19日社説が、「教育基本計画―中教審はどうしたのか」を書いていました。
・・教育現場が抱える課題は多い。とくに深刻なのは学力低下問題だ。学力格差をどう縮めるか。考える力をどう育むのか。そのためには、教師の数や質の向上が欠かせない。 だから、この答申で最も注目されたのは、教員を増やすなど予算のかかる措置が具体的にどう描かれるかだった。日本の教育への公的支出の割合は、先進国のなかでも低い。教育への投資は、日本の教育を底上げするには避けて通れない課題である。 ところが驚いたことに、答申には具体的な提言が見あたらないのだ。
どうしてこんなことになったのか。答申には、財政措置の必要性にさらっと触れたのに続いて、こんな一文がある。「しかしながら、国の財政状況は大変厳しい状況にあり、これまでの歳出改革等の改革努力を継続する必要がある」。まるで財務省の審議会の答申かと見まがう内容である。
委員の片山善博・前鳥取県知事が「あまりに財政当局に近い内容で、省庁折衝の結果と答申が同じなら審議会はいらない」と怒ったのも当然だ。答申づくりにあたって、文科省と財務省などとの事前折衝が行われ、財源の見通しがない具体策は盛り込まぬようタガをはめられた、ということのようだ。しかし、官僚たちの言い分を土台にして答申をつくるのでは、審議会で議論する意味がない・・