投稿者アーカイブ:岡本全勝

2008.07.03

2008年7月3日   岡本全勝

猪瀬直樹さんのHP「日本国の研究」に、坪井ゆづる朝日新聞編集委員の「分権のあしたへ」が載っています。
・・福田康夫首相は「分権は内閣の最重要課題だ」と繰り返している。6月20日金曜日に地方分権改革推進委員会の第1次勧告に基づいて、政府が取り組む分権推進要綱を決めたときも、そう言って胸を張った。だが、政府要綱の内容は迫力に欠ける。とくに霞が関の各省から自治体に権限を移す分野で、勧告からの後退が目立つ。各省が「直し」を入れ、勧告を丸めた。「勧告の方向に沿って検討」とか「平成23年度中に結論」といった「あいまい、先送り」が目立ち、なかには「農地転用問題」のように勧告文の原型をとどめていない項目もあった。最重要課題なのに、この程度か。権限や財源を維持したい官僚に比べて、政治決断を迫られる政治家の態度の煮え切らないことよ。ああ、またか。そんな感想を抱いた人が多いはずだ。分権改革がめざすのは、自治体を自立した「地方政府」にすることだ。そのためには各省の権限や財源を自治体に移さなければならない。結果として霞が関の解体につながる・・
この内容は、6月26日のメールマガジンで、配信されたものです。早く紹介しようと思っていたのですが、著作権とルールを守るため、HPに載るのを待っていました。ちなみに、すでに次号(7月3日号)が配信されていて、青山彰久読売新聞編集委員の「地方分権改革推進委員会の使命」です。ご覧になりたい方は、配信登録をしてください。なお、私は、猪瀬直樹さんの主張にすべて賛成しているわけではないことを、付記しておきます。

最先端情報の入手・会うことの重要性

2008年7月1日   岡本全勝

今日も、平野雅章『IT投資で伸びる会社、沈む会社』から。
・・技術動向に関する理解の必要性は、企業の属する産業によって違います。ハイテク企業であれば、研究所や駐在員をシリコンバレーにおき、技術者・科学者などとフォーマル・インフォーマルな情報交換を続けていくことが絶対的に重要でしょう。
通常、技術の先端的情報の微妙な部分は、学会・フォーラムやインフォーマルなミーティングなどでの技術者・科学者同士の直接接触を通じて、暗黙情報として交換されるので、これを得るためには先端技術開発の行われている地域に物理的に身を置くことが不可欠です・・(p89)。
そうなんですよね。大概の情報が、インターネットで手に入る時代になりました。ところが、人と会う重要性は、いっこうに減りません。最先端の情報で公開情報はインターネットで手に入ります。しかし、まだ公開されていない情報、それは不確定な、ものになるかどうかもわからない情報ですが、それらはインフォーマルな情報交換でしか手に入りません。これは、科学技術に限りません。
またこれとは違った場面でも、例えば人物評価が必要な場合は、会ってみないとわかりません。多くの場合、採用面接なしでは、人を採用できないのです。

二度とこのようなことが起きないように・・

2008年6月30日   岡本全勝

先日紹介した、平野雅章『IT投資で伸びる会社、沈む会社』から。
・・「情報システムでは必ずトラブルが起きるものです」というと、驚かれるか不愉快な思いをされる読者もいらっしゃるかと思いますが、事実ですから仕方ありません。一般に、機械やシステムの信頼性を100%にすることは、技術的・経済的に不可能です・・
経営者が、あたかもトラブルの起きない情報システムや、事故の起きない原子炉が存在しうるように考えたり説明したり、記者会見で「二度とこのようなことが起きないようにします」と頭を下げることは、不可能なことの空手形を切っているのであり、自分自身と社会に対する欺瞞でしかありません。・・責任のある経営者は、システムトラブルが確率的に起きることを前提に、事業のリスクや責任の取り方を考えているものです・・(p120)。

骨太の方針一覧表

2008年6月29日   岡本全勝
これまでの「骨太の方針」主な内容を、表にしました。授業や原稿に使っているものです。ご利用ください。(6月28日)
28日の日経新聞社説は、「骨太方針は予算要求書に変質したのか」でした。
・・成長力の強化や国民本位の行財政改革など総論や看板には異論がないが、各論となると各省庁や政治家の要望を並べたところや、中身が薄いところが目立つ。骨太の名にふさわしい内容とは言い難い。
01年の小泉純一郎政権時代に始まった「骨太方針」の本来の狙いは首相の指導力発揮によって、改革の障害を乗り越えることだった。各省庁任せの政策決定では、省益や政治家の既得権益の壁に阻まれる。このため、民間の有識者を含めた経済財政諮問会議を「改革の司令塔」として活用、首相が後押しする仕組みをつくった。
小泉首相退陣後の07年の骨太方針からそうした性格は薄れてはいたが、今回はそれに拍車がかかったように見える。昨年夏の参院選敗北で自民党内から改革路線への反発が噴出したことが背景にある。福田首相も、党内からの様々な圧力をはねのけられなかった・・。
この社説の標題が指摘しているように、最近の骨太の方針には、2つのものが含まれています。行財政改革を目指す「メリ」の部分と、施策の拡充を目指す「ハリ」の部分です。「骨太の方針2008」だと、第4章がメリで、第5章がハリになります。

目標による管理

2008年6月29日   岡本全勝
組織の目標による管理の例として、鳥栖市の「部課長の仕事宣言」が、わかりやすいです。紹介します。
ある人曰く、「こんな簡単なので、良いのですか?」。良いのです。難しい複雑なことは、長続きしません。まず書いてみることで、本人にとって仕事の目標と重点が見えます。それが上司・部下と共有されることで、仕事が円滑に無駄なく進みます。さらに市民に見せることで、理解されまた評価されます。
先日、個人の能力と組織の能力は別だと書きましたが、このような仕事の「見える化」が、組織力を高めます。組織の能力を高めるためには、伝統や文化といった見えないものに頼るのでなく、見える化が大切なのです。