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続上司の仕事:状況対応型と予測準備型・戦略実行型

2008年8月7日   岡本全勝

昨日に続き、上司の仕事(戦略を立てること)を、書きます。
問題が起きたり指摘を受けてから、考えて対応するのが、「状況対応型」です。受け身の姿勢、待ちの姿勢です。追い込まれてから、あわてて動きます。しばしば、その場しのぎの対応になります。「状況対応型」などと、きれいな名前をつけましたが、簡単に言うと、「な~んも考えていない上司」「出たとこ勝負の組織」です。
これと反対なのが、「予測準備型」です。事前に、これからどのようなことが起きるか、どのように行動すると良いかを予測し、対応方針を決めておきます。達成するべき目標に向かって準備する場合は、「戦略実行型」になります。
予測準備型と戦略実行型において、上司の能力が問われます。どのような事態を予測するか、どのような目標を立てるかは、上司の責任です。これは、部下に任すことはできないのです。

さて、各課の目標による管理は、多くの場合、毎年の定例業務であり、すでに方針の決まった仕事です。これは、部下の行動を管理しておればすみます。ボトム・アップで、定期的に報告を求めればよいのです。
予測準備と戦略実行は、上司が考え、部下に指示を出す必要があります。これは、トップ・ダウンで行う必要があります。
なお、想定問答を用意することは、形式的には「予測準備型」に分類されます。しかし、必ずしもそうとは言えません。結論が「できません」というような想定問答は、意味をなしません。また、答えにくい問いを作っていない場合も、無意味です。さらに、360度にわたって、考え得る限りの想定をして答を作らせると、部下が過労死します。
予測準備型でも、的確な予測を立て、無駄な作業をさせずに目標を達成するのが、良い上司です。起こりそうにもないケースまで考え、部下に「完璧な」準備をさせるのが、悪い上司です。
打球が右寄りに来ることを予測して構え、なんなくさばくのが、良い野手。予測してなくて飛びつくのが、次によい野手。な~んにも考えずに構え、球が飛んできてから、あわてて球をそらすのが下手な野手。

地域とICT

2008年8月7日   岡本全勝
遅くなりましたが、今川拓郎さんのインターネット・コラムを紹介します。日経新聞のサイトに載っている「官×学の政策回転ドア」で、8月7日号は「平均点は550満点中80点・地域のICT活用の打開策は何か」です。
・・実は、白書が強調したかったのはランキングではない。むしろ、ICT活用度は画一的に評価することは難しく、地域の実情に応じてICT活用のあり方が異なるということだ。・・条件不利地域(過疎、豪雪)や高齢化地域の市区町村では、平均的にはICTの活用は遅れているが、医療、福祉、地場産業・農業、観光、住民交流といった地域に密接な課題の解決にICT活用の比重が置かれていることが伺える。このような地域では、限られた政策資源のなかで、目的意識の高いICT活用に徹する必要があると考えられる。
・・重要なことは、地域におけるICT活用はそれ自体が独立したテーマではなく、医療・福祉・教育・防犯など、地域が抱える課題と直接結びついていることだ。ICTはあくまでツールであって、これを積極的に導入したとしても、地域の課題解決とリンクしていない限り無駄な投資に終わる。
・・ICT利用には、対面による接触を「代替」する側面と「補完」する側面の双方が存在する。出張する代わりにテレビ会議で用件を済ませるのは「代替」だが、面会のアポ取りで電子メールを送ったり、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で知り合ってオフラインで会合を始めたりするのは「補完」である。・・お互いの距離が遠くなるほど移動費用が増し、対面による接触が減ってICTによる接触が増える。これが「代替」による効果である。一方、距離が近くなると移動費用が減り、対面による接触が増えてICTによる接触が減るが、近距離内ではICTによる接触も逆に増加に転じている。これが「補完」による効果である・・
今川さんも、総務省のお役人です。詳しくは、原文をお読みください。

気になった記事から

2008年8月6日   岡本全勝
7月12日の読売新聞「論壇」、菅野覚明教授の「若者に国を託そう」。
「今日、あらためて国家やナショナリズムが問われているのには、たぶんそれなりのわけがあるのだろう。世間の噂を信ずるならば、戦後日本の体制が根本的につかえなくなってきたからということらしい。だが、もしそうであるとするなら・・国家論の本当の主体は、未だ明確な自己表現を持っていない、20代、30代の人たちであるはずなのだ。明治以来、転換期の国家像に展望を拓いてきたのは、功罪はともかく、幕末の志士にせよ・・いずれも長老たちの理解を絶した若い力であった。たぶん同様に、もし今という時代が本当に転換期であるなら、次の時代を切り拓く力は、今どきの若者のわけのわからなさの内にこそ秘められているであろう」
「次の世代への信頼なしに、国家論など成り立ちようがないのである」
8月6日日経新聞別刷り「あっと、データ」、世界価値観調査2000から。戦争が起きたら国のために戦うかという問に「はい」と答えたのは、ベトナム94.4%、中国89.9%、韓国74.4%、ロシア63.8%、アメリカ63.3%、ドイツ33.3%、日本15.6%。
8月2日の朝日新聞夕刊「文化」、「厳しい若者の対日意識。中国で80年以降生まれ調査」。日本人の一般的なイメージは、勤勉75%、有能69%、強い62%。人間性が良い10%、悪い44%。信頼できるが15%、信頼しがたい53%。日本、米国、韓国、フランスなどの企業に同じ条件で就職が決まった時に、日本企業を選ぶ人は6%、全く思わないが58%、あまり思わないが18%。

2008.08.06

2008年8月6日   岡本全勝

5日に政府の地方分権改革推進本部が開かれ、総理が全閣僚に対し、国の出先機関の廃止・統合に積極的に取り組むように、指示されました。6日の読売新聞が、大きく解説しています。