投稿者アーカイブ:岡本全勝

川北稔、イギリス近代史講義

2010年10月30日   岡本全勝

川北稔著『イギリス近代史講義』(2010年、講談社現代新書)が、面白かったです。イギリスが最初に産業革命に成功し、そして衰退した歴史を、社会史と世界システム論から論じておられます。そのために、世界に先駆けたロンドンの都市化から書き始めます。産業革命・工業化は、供給側の事情だけでなく、それ以上に需要側の要素が大きかったことを、指摘されます。新書版で、読みやすいです。
かつてこのホームページで、アンドリュー・ローゼン著「現代イギリス社会史、1950-2000」(2005年6月邦訳、岩波書店)を紹介しました(2005年8月20日の記事)。これも、川北先生の翻訳でした。学校で習う歴史は、政治史と「出来事史」が中心です。しかし、社会と歴史を動かしているのは、政治家ではないと思います。国民の暮らし、生産と消費、労働と生活、人間関係がずっと大きな要素だと思うのですが。それらの条件と変化の上に、企業家や政治家の判断の余地があるのでしょう。政治史や出来事史は年表に書きやすいのですが、社会の変化は書きにくいのです。

フランスの歴史学者フェルナン・ブローデルは、歴史を3つの時間に分けて考えることを提唱しました。一つ目は、ゆっくりと変化する人間を取り囲む環境と人間との関係の歴史。これは、構造的な長い時間です。二つ目は、社会史という、変動局面の中くらいの時間。3つめは、出来事の歴史という、短い時間です。拙著『新地方自治入門』でも紹介しました。
日本の歴史特に庶民の歴史を大きく分けると、皆さんはどのように分けますか。私は、3つに区切るとするなら、縄文時代、弥生時代とその後、そして高度経済成長期以降に分けるのが、わかりやすいと考えています。第1期は狩猟と採集経済の時代。第2期は稲作の時代(1950年頃まで、多くの日本人は農業で生きていました)。第3期は工業の時代です。この生産と生活の仕組みが、日本人の個人、家庭、社会の暮らしを規定したと考えるからです。
戦後の経済成長は、農村から都市へ、農作業からサラリーマンへ、村での暮らしから会社勤めへと、大きく私たちの暮らしを変えました。平安時代の農民が明治時代の田舎の村にタイムスリップしても、暮らしていけると思います。村の中で稲作ですから。しかし、平成時代の都市に来たら、とても困ると思います。明治維新も戦後改革も、日本のかたちを大きく変えました。しかし、地方の庶民の暮らしは、それよりも経済成長で変わったと考えるからです。

自治大学校、卒後研修

2010年10月29日   岡本全勝

今日は、自治大学校の卒業後研修と、同窓会(学友会)総会がありました。卒業後研修は、昨年度卒業した研修生が対象です。約1,000人の卒業生のうち、600人が参加しました。自治大学校の卒業生は、結束が堅いので有名です。全国から集まった仲間が、6か月、3か月、3週間の寮生活を送ります。班別演習など、共同作業も多いです。そこで友情が固くなるようです。今日も会場入り口で、「や~」とか「久しぶり・・」という歓声が沸いていました。それぞれに出世し、活躍しておられます。ありがたいことです。
来年度の研修に向けて、さらに研修内容を充実=役に立つものにしなければならないと、考えました。

一橋政策大学院で講義

2010年10月28日   岡本全勝

今日は、一橋大学政策大学院に呼ばれて、公共政策セミナーで講義。最近、もう一度勉強しなおしている行政改革の分類と変化について、お話ししました。院生にとっては、聞いたことがない内容だったと思います。皆さん熱心に聞いてくれました。
一橋の院にはかつて2年、講義に行ったことがあります。その講義などを基にして、「行政構造改革」を書いていたのですが、途中で挫折しています。

日本農業・失われた50年

2010年10月28日   岡本全勝

日本経済新聞が27日から、連載「ニッポンの農力、自立するために」を始めました。環太平洋協定(TPP)が政治課題になり、農業保護が問題になったのです。
その記事によると、農業就業人口は、ピークであった50年前から8割以上も減り、今年は260万人と全就業者に占める割合が3%台に低下しました。農業総産出額は8.5兆円と、最も多かった1984年に比べ72%に低下しています。農林水産業がGDPに占める割合は、1960年には13%でしたが、現在では1.5%です。記事では、「国内農業は失われた50年」と形容しています。
稲作は50年前に比べ、生産性が大幅に向上しました。これだけ農家が減っても、米は余っています。しかも、減反を4割もしています。その点では、成功したのです。しかし、国外産に比べ、まだ低いのです。問題は小規模なままで、大規模化が進まなかったことです。兼業農家が、片手間でできるようになったのです。日本の農業問題は、稲作とその他の作物に分けて考えなければならないこと、そして問題のカギは農地です(2007年6月23日の記事)。

1,400,000番

2010年10月28日   岡本全勝

28日夜に、カウンターが1,400,000を達成しました。最近は、平日は700人、休日は200人ほどの人が見てくださいます。そのペースだと11月には達成できると考えていましたが、140万に近づくと、早くなりました。この数字もキリ番ではないので、賞品はなしです。これまでの歴史は、「HPの履歴」をご覧下さい。