11月2日に、福島県楢葉町と飯舘村の、公共インフラ復旧工程表を公表しました。すでに8月には、広野町、田村市、川内村、南相馬市について公表済みです。
楢葉町は8月に警戒区域を見直し、避難指示解除準備区域となりました。町内全域が20mSV/年なので、住民は帰還が可能です。しかし、インフラが復旧しないと生活はできません。また、海岸部では津波被害を受けています。そこで、除染は平成24年、25年度で実施し、内陸部は24年度から工事に着手、津波被害地域は25年度に計画を作ります。
飯舘村は応急復旧は終わってるのですが、本復旧が必要です。放射線量が20mSV/年以下のところと、超えるところがあります。まず除染を、村の西側(線量の低い地域)から行い、インフラの復旧は平成25年度から本格化させます。
市町村と、県と、国とが協力して、復旧させます。
工程表では、対象事業別に、さらに施設別に、時期を明示した矢印で示してあります。これで、関係者は「いつ、どこが復旧するか」見ることができます。しかも、ホームページに載せてあるので、いつでも・誰でも・どこからでも、見ることができます(楢葉町の例、後ろの方のページを見てください)。
復興庁では、避難した12市町村ごとに、参事官を責任者としてチームを作り、各市町村と打ち合わせて課題を解決しています。一方、課題ごとに(インフラ復旧、町外コミュニティ、避難者支援など)、参事官を責任者とする班を作っています。この地域割りと業務割りの掛け合わせで、仕事を進めています。
そして、それらの参事官と職員を、「大福島班」としています。参事官も職員も、一人で何役も兼ねていること、そして現地に行かないと仕事が進まないので、大忙しです。
投稿者アーカイブ:岡本全勝
災害関連死調査、第2回
今日11月2日に、災害関連死の数(第2回)を、公表しました。9月末までの、約1年半の間の数です。合計で、2,303人です。前回(5月に)、3月末までの数を、1,632人と発表しました。今回の調べでは、3月10日まで(1年以内)は、2,263人です。認定が進んで、増えたということです。1年を過ぎてから、これまでの間(この半年間)は、40人です。
最初の半年で2,014人、次の半年間で249人ですから、新たな死者数は大幅に減りました。しかし、1年経過してもなお40人もの方が、亡くなっているのです。
あの大震災を逃れることができたのに、その後お亡くなりになっています。40人とか2,300人とか数字で語ってしまいますが、一人一人かけがえのない命です。
原因を調べるため、詳しい調査を行うこととしています。
支援物資の輸送と仕分け、民間に委託
東京都が、トラック協会や物流ネットワーク協会(宅配業者)など民間団体と、災害時に救援物資の仕分けと輸送を任せる協定を結びました。10月2日の東京新聞が、伝えています。
・・従来は都職員が行う方針だったが、東日本大震災を受けて、物流のプロに任せ、都が人件費や燃料費などコストを負担する・・
都の担当者は「都職員だと現場に入るのに時間がかかり、仕分けの効率が悪くなる懸念があった。民間に任せて、迅速な輸送を進めたい」と話した・・
今回、政府の被災者生活支援本部が、緊急物資を現地に送る際に得た教訓の一つがこれです。物資輸送は自衛隊の他、業者にお願いしていたのですが、県の集配拠点で物資が滞りました。東京からどんどん送るのですが、市町村への仕分けがうまくいかず、積み重なったのです。そこで、荷さばきを、業者にお願いしたのです。宅配業者は、その道のプロです。餅は餅屋に任せるのが、こつですね。
国会質問の答弁案作成
10月31日、11月1日と衆議院本会議で代表質問が行われ、明日11月2日には参議院本会議が開かれます。毎日、復興関係の質問が出ています。職員は、その総理答弁案と復興大臣答弁案を作成しています。
1日の質問の中には、31日の夜11時過ぎに通告があったものがありました。それから答弁案を作るので、できるのは真夜中になります。いつものように、私は自宅のパソコンに答弁案を送ってもらって、確認しています。すみません、私だけ早く家に帰って。
でもねえ、23時過ぎに質問が通告されるとは・・。部下に常々「残業するな」「早く帰れ」と言っているのですが、これではどうにもなりません。
小西先生の新著
小西砂千夫先生が、『地方財政のヒミツ』(2012年、ぎょうせい)を出版されました。
「ヒミツ」とは刺激的な表題ですが、秘密と思われることがそうではないことを、わかりやすく解説しておられます。
・・書名を「ヒミツ」としましたが、本当はヒミツではありません。それらは全部、法律に書かれていることだからです・・あえて学ぼうとする人が少なかったことで、ヒミツのようにみえてしまうということです・・(pⅰ「スタディガイド」から)。
ここまで、わかりやすく書けるのは、先生が研究者としては希有なくらいに(失礼)、制度を熟知されているからです。
先生は、次のようにも書いておられます。
・・地方交付税制度にはあまりに誤解が多く、その誤解の上で多くの批判がなされ、それが世間的な評価を左右して、いかにも正論のように見えて・・
・・本書が明かそうとする「ヒミツ」は、法律の背景にある地方財政に関する統治の知恵である。一見して複雑すぎるしくみであっても、そうせざるを得ない理由がある。ヒミツのほとんどは、制度運営にかかわる技術的理由、つまり「そうとしか運用できない」に起因することに、どうか気がついていただきたい.わざと複雑にしているという猜疑心をもっていると、理解が十分に深まらずに、制度運用の本当のおもしろさを感じることはできない・・(あとがき)
入門書としてだけでなく、各制度の意義と機能を理解するには、もってこいの本です。
本来、総務省の担当者が書くべき本でしょうが、最近、出版されていませんねえ。私の本も、古くなりました。元担当者として反省するとともに、ここまで書いていただける学者が出てきたことを喜びましょう。