投稿者アーカイブ:岡本全勝

福島県、企業と県庁との連携

2019年3月22日   岡本全勝

今日は、福島県庁主催の「ふくしま『ご縁』視察交流会」に行ってきました。これまで福島県を支援してくださっている企業の方を招いて、県内を視察してもらうとともに、交流を深めようとするものです。
このホームページでも紹介したことがありますが、福島県庁も、様々な企業と連携協定を結んで、官民協働を進めています。そのお礼の意味と、今後の新しい取り組みを期待してです。地元企業も参加して、異業種交流も行われました。
私も、県庁からの依頼を受けて参加し、復興における民間の貢献と、これからの企業の社会貢献について、お話ししてきました。
官民協働は、大震災復興において私が力を入れた分野であり、また今後の行政のあり方を考える上で重要なことと思っています。

朝、出発点の新白河駅に着いたときは「風が強いなあ」と思ったいたら、昼過ぎに裏磐梯の山中にある「会津山塩」を訪問する頃は、気温は氷点下、雪がちらついていました。周囲には、雪がたくさん残っていました。昨日が暖かかっただけに、余計寒く感じました。
山塩は、太古の海水が温泉となってものを、煮詰めてつくるのです。「製造工程」を見てください。

県庁が自ら企画実施したので、なかなか「ふだんにない視察先」でした(最近、行政が行う催しは、民間に委託=丸投げが多いのです)。

低い日本の賃金

2019年3月22日   岡本全勝

3月19日の日経新聞1面に「賃金水準、世界に劣後 脱せるか貧者のサイクル」 でした。
・・・日本の賃金が世界で大きく取り残されている。ここ数年は一律のベースアップが復活しているとはいえ、過去20年間の時給をみると日本は9%減り、主要国で唯一のマイナス。国際競争力の維持を理由に賃金を抑えてきたため、欧米に劣後した。低賃金を温存するから生産性の低い仕事の効率化が進まない。付加価値の高い仕事への転換も遅れ、賃金が上がらない。「貧者のサイクル」を抜け出せるか・・・

詳しくは原文を読んでいただくとして、驚くような表がついています。
OECDが、残業代を含めた民間部門の総収入について、働き手1人の1時間当たりの金額を調査しています。1997年と2017年を比べると、この20年間で日本は主要国で唯一マイナスの9%下落です。
イギリスは87%、アメリカは76%、フランスは66%、ドイツは55%増えています。日本の平均年収は、アメリカの7割程度です。

最低賃金と労働生産性(労働者1人の1時間当たりの成果)の国際比較もついています。労働生産性は、このホームページでも紹介しているように、OECD加盟36か国中20位、G7で最下位です。日本は47.5ドル、アメリカは72ドル、ドイツは69ドル。改めて、びっくりしますよね。

平成の経済停滞で、企業がリストラを進め、従業員の給料も上げませんでした。それが、生産性の低迷を招いたという説があります。低賃金が、生産性の低い仕事を温存したというのです。世界で戦う製造業には、そのような説明もできるのでしょう。他方で、サービス業、特に外国からの観光客を相手にするようなサービス業では、欧米水準の価格にすれば良いと思うのですが。

春の東京、桜開花

2019年3月21日   岡本全勝

今日は春分の日で、お休み。東京は、午後から晴れ、気温も20度を越えましたが、風がきつかったです。桜の開花が、宣言されました。

わが家の椿は、次々と美しい花をつけています。もう一つ、去年買った、鉢植えの五色散り椿も、きれいな花を咲かせました。枯れたかと思っていた、鉢植えの小さな桜とモミジも、芽を吹きました。キョーコさんが、まめに水をやってくれているのです。こちらの桜は、花はだいぶ先のようです。

久しぶりに、近くの商店街を散歩すると、お店が入れ替わっていたり、ビルが壊されていたり。入れ替わりが激しいですね。もっとも、この商店街は、いくつもあった古本屋さんが1軒になり、私には縁のないお店が多いのです。

4月下旬から始める予定の、連載の原稿と格闘しています。骨格をつくるのに、時間がかかっています。
書きたいことの部品はたまっているのですが、どのように並べるか。幹と枝の配置に難渋しているのです。全体を紹介する「はじめに」を、書いては消して、行きつ戻りつです。

平成時代の変化。売り手が強い時代から、買い手が強い時代に

2019年3月21日   岡本全勝

3月17日の朝日新聞「平成経済」、鈴木敏文・元セブン&アイHD会長のインタビュー「買い手が強い時代、価格より質」から。

・・・平成は経済が沈滞した時代だとよく言われます。しかし、これは平成に始まった話ではなく、昭和の終わりから続いてきたと考えるべきだと思います。戦後の経済成長で社会が豊かになると、消費者はあわてて物を買わなくてもいい時代になりました。売り手が強い時代から、買い手が強い時代に変わったのです。
戦後、米国の「チェーンストア理論」が日本の流通業界を席巻しました。小売企業は大量に商品を仕入れ、他社より安い価格で売るのが勝負で、商品を店頭に山のように積んでおけば買ってもらえるという発想です。ところが、次第にこれでは売れなくなり、流通業界の中でも販売が堅調だったイトーヨーカ堂ですら、1982年度に初めて経常利益が減益になりました・・・

次のような発言も。
・・・常識を打ち破る発想が必要なのです。経営者が自分で考え抜いて決めるべきです。新規事業を始める際、コンサルタント会社に調査を依頼する企業がありますが、感心しません。コンサルは過去のデータに基づいて助言をしますから、物まねになってしまいます。最近、ビッグデータを使った経営が流行していますが、私は、大きな間違いを起こすと思います。過去のデータを使っても、次の時代の流れは読めません・・・

統計に表れない人的資本の価値

2019年3月20日   岡本全勝

3月15日の日経新聞経済教室は、前田佐恵子・日本経済研究センター主任研究員の「人材教育の充実、成長のカギ」でした。

・・・停滞をどうすれば打破できるのか。本予測では「改革シナリオ」も描いた。労働力を質と量の側面から高め、供給制約を取り払う必要がある。
労働の質の面では、日本企業は人材教育の劣化が目立ち、00年代に人件費の削減とともに教育訓練費も削ってきた。1980年代は雇用者報酬の0.4%程度を教育訓練費に充てていたが、16年では0.2%と半減している。
職業教育などの人的投資を増やし、労働の質が向上すると、生産性を高める効果が期待できる。
機械や設備などの有形固定資産に対し、生産の付加価値を高める情報やブランド、人材などの価値は無形資産と呼ばれる。ソフトウエアや研究開発費など生産資産として統計に表れるものもあるが、人材に蓄えられた技能を含む人的資本は計上されていない・・・

そうなんですよね。人的資本(能力)は、統計に出てこないのです。話を広げると、社会の質も、数字化されていません。汚職のない社会は、経済発展に不可欠です。また、治安の良い、つながりの強い社会は、暮らしやすいです。道路や鉄道の延長距離より、はるかに重要です。GDPや国富は、経済的価値、それも数値化できるものしか計上されません。ここに統計や経済学の限界があります。

・・・経済産業研究所が公表している日本の無形資産に関する推計では、企業の人的資本への投資などにあたる「経済的競争力投資」が示されている。各国の同様の推計値と比較すると、日本は経済規模に対し著しく低いことが分かる・・・
として、「経済的競争力投資の各国比較」が図として載っています。う~ん、「日本は人を大事にする国」ではありませんね。