連載「平成の地方制度改正をひもとく」

2026年10月6日   岡本全勝

月刊『地方自治』9月号に、山﨑重孝・元自治行政局長、元内閣府次官の「「平成の地方制度改正をひもとく」を終えて」が載りました。「平成の地方制度改正をひもとく」は、月刊『地方自治』に連載されていた座談会です。山﨑君が座長になり、自治行政局の幹部が、平成時代に行われた地方自治法など地方制度改正を振り返るものです。合計42回、3年半にわたる長期連載になりました。

法改正を担当した官僚がそのいきさつを書いて残すことは、これまでもありました。この連載の特筆すべき所は、1度の法改正を扱うのではなく、平成3年から29年までの約30年間(準備期間を入れるともっと長くなります)を振り返っていることです。
地方自治制度は、自治体の有り様を規定するだけでなく、国家統治の一部をなしています。基本法中の基本法です。他方で、住民や地域に関することなので、社会の変化を強く受けます。
各回の法改正を追うだけではその位置づけは理解できず、このような通時的な分析が重要なのです。なぜそのような改正が必要になったのか、何を意図して改正したか。日本社会の変化と、この国のかたちをどのように作るか。その重要性を理解していただけると思います。

私が若い頃は、自治法の改正はなく、あっても根幹ではありませんでした。「不磨の大典」と呼ばれてもいました。時代の変化に適応させるためには、解釈で補っていたのです。ところが、平成の間に14回の改正を行ったとのことです。かつては地方制度調査会が答申を出しても法改正につながらなかったのが、実現するようになったのです。

あまりの大部なものなので、通読は難しいでしょうが、第38回から第42回までで総括がなされています。
そこでは、かつての団体委任事務と機関委任事務の区別の困難さ、戦後改革によってできた地方自治制度が戦前の仕組みを引きずっていたこと、分権改革の効果、マイナンバー制度導入の影響なども言及されています。