月別アーカイブ:2026年4月

間違ったら反省する

2026年4月13日   岡本全勝

3月11日のNHKスペシャル「わたしたちの“復興” 震災15年・当事者たちの告白」を見たよ、と言ってくださる人がたくさんおられます。ありがたいことです。「NHKスペシャルに出ました
その人たちがおっしゃるのは、「間違ったと、自ら反省するのは珍しい」です。3月14日の朝日新聞社説「津波被災地の復興 一人ひとりの歩みをより前へ」などでも、うまくいかなかった点を説明しました。「失敗」を正直に伝えることも、責任者の務めだと思っています。

私が官僚になったころ、「行政の無謬性」「官僚の無謬性」という言葉を聞きました。行政は間違わないということのようです。その後わかったのは、間違わないのではなく、間違っても認めないということでした。かつて、「行政の無謬性神話」に書いたことがあります。

特に良くないのが、国会での質疑です。官僚は、現行制度や政策が正しいとして答弁を書きます。担当者も、問題点を認識しています。でも、「現行制度は時代の変化に遅れていて、変える必要があります」と答弁すると、「現行法令がおかしいというのか」とお叱りを受け、審議が止まるおそれもあります。なので、「今やっていることは正しい」と言うのです。
しかし、これでは進歩はありません。官僚の役割は、新しい社会の課題に対応することです。それは、現在の問題を認めることから始まります。たとえ、それが自分がやったことであっても。
自分や組織の間違いを認めるのは楽しくありませんが、官僚がそれを続けていると、国民の信頼を失います。それは、官僚だけに限りません。

出入国者数の大きな差

2026年4月13日   岡本全勝

3月27日の日経新聞夕刊に「出入国ギャップの陥穽 理由は円安のみならず」が載っていました。

・・・日本を訪れる外国人と海外に出国する日本人の数のギャップが広がっている。2025年は訪日客が渡航者の2.9倍になった。ビジネス出張が減り、円安の進行で日本人の内向き志向に拍車がかかる。往来の偏りの先には日本の競争力に影響する陥穽(かんせい)があるかもしれない。
日本政府観光局によると、25年の訪日客数は24年比で16%増の4268万人。2年連続で過去最高を更新した。
一方、日本人の出国者数は13%増の1473万人だった。新型コロナ禍前の7割の水準にとどまる。26年も2月の出国者数がマイナスに転じており、頭打ち傾向だ。
要因の一つは円安だ。22年1月に1ドル=115円前後だった円相場は足元で160円近くまで下落した。JTBのアンケートでは、26年に「一度も海外旅行に行かない」と考える人は77%にのぼる。「旅費が高い」「円安」が理由の上位を占める。

為替要因だけではない。総人口から年間の出国者数を割って算出する「出国率」を調べると、コロナ禍前の13年からすでに低下傾向にあったことがわかる。25年の出国率は11.9%。同じ東アジアの韓国や台湾を20ポイント以上下回る。
日本人のパスポート保有率も25年末時点でおよそ18%にとどまる。日本旅行業協会(JATA)の統計によれば韓国の保有率は4割、米国は5割、台湾は6割だ。この違いはどこからくるのか。
1980〜90年代に日本の技術力は世界をリードし、多くの企業が海外に進出した。好景気で海外旅行や留学もブームとなり、95年までの10年間に海を渡る日本人は3倍に膨らんだ。
だがバブル経済が崩壊すると、失われた30年のもとで出国者数の伸びは止まった・・・

記事では、ワーキングホリデーの利用について、日本人は英語圏への出国が多く、日本への利用者は国籍が多様であることを紹介しています。

・・・日本が国際交流を広げるには何が必要か。立教大観光学部の川嶋久美子准教授に聞いた。
日本人の海外志向の弱さは構造的な問題だ。景気や円安といった短期要因だけでは説明できない。
日本は国内市場が大きく、生活や娯楽、観光の多くが国内で完結する。国内旅行なら言語の問題はないし、ビザやパスポートを取る手間もいらない。
有給休暇を取りにくい労働環境も要因だ。大型連休などの旅行は混雑したり渡航費が上がったりして海外旅行のコストが高くなる・・・

市町村アカデミー機関誌2026年春号

2026年4月12日   岡本全勝

市町村アカデミー機関誌「アカデミア」2026年春号が発行されました。拙稿、連載「これからの時代に求められる自治体職員像」第4回「あなたの悩みは何か─若手職員の心構え」が載っています。今回は、若手職員向けです。

職場では、いろいろな悩みや迷いが出ます。それをどのように乗り越えていくか。そこに、仕事が楽しくなるか、嫌になるかの違いが出てきます。そして、仕事ができる職員と、そうでない職員の違いが出てきます。
職場での悩みは、「仕事について」「人間関係」「将来の見通し」に分類できます。その対処方針を説明しました。
どの悩みについても一番の薬は、助言をくれそうな人に相談することです。上司には聞きにくいこともあるでしょう。そのようなときに相談できる先輩を持っておくことが重要です。

第3回「職場を支えているという自覚-中堅職員の役割
第2回「管理職の役割-はまるな四つの落とし穴
第1回「これからの自治体職員像ーあなたに求められていること

国民が望むのは世界一の治安

2026年4月12日   岡本全勝

3月25日の読売新聞1面に「読売・国問研 共同世論調査 「世界一の治安望む」62% 「国際秩序を主導」45%」が載っていました。

・・・読売新聞社と公益財団法人「日本国際問題研究所」(JIIA、東京)は全国世論調査(郵送方式)を共同実施し、将来における日本の国のあり方などに関して国民の意識を探った。日本が今後どのような国を目指すべきだと思うかを聞いたところ、「世界トップレベルの治安を保つ国」の62%が最多となった。世界各地で争いが絶えない中、平和で安心できる日常を望む日本人の意識は、世代を超えて共通している。

質問は18項目の選択肢から複数選んでもらった。「トップレベルの治安」との回答は、18~39歳の若年層は69%で、60歳以上の高齢層でも57%に上った。回答者全体で2番目に多かったのは「世界トップレベルの技術力を持つ国」の53%で、これに「社会福祉制度が充実している国」52%、「平和を世界に訴える国」50%が続いた。

今後、日本が国際社会で主導的な役割を果たしていくべきだと思うもの(13項目から複数回答)は、「法の支配に基づいた国際秩序の維持や強化」の45%が最も多かった。世界が不安定化する中で、国際ルールを重視する日本の取り組みが期待されている。以下、「気候変動問題、環境問題への対策」44%、「国際ルールに基づいた公正な貿易や投資の確保」42%などの順で多かった。

今後の日本の社会保障のあり方として、サービスを充実させることと、負担を軽減させることでは、どちらを優先するべきだと思うかについては、「どちらかといえば」を含めて「負担の軽減」64%が「サービスの充実」32%を大きく上回った。
国の予算を今後増やす方がよいと思う分野と減らす方がよいと思う分野を、それぞれ14項目の中から三つまで選んでもらったところ、増やす分野は「医療」43%、「年金」40%、「介護」36%、減らす分野は、「途上国への経済協力」52%、「生活保護」40%、「国債の償還」27%が上位に挙がった・・・

サービスの充実より負担の軽減を選ぶ人が多く、他方で医療や年金の予算を増やせとは、矛盾しているのではありませんか。国債の償還を減らすのは、どのような方法で行うのでしょうか。

思い出横丁

2026年4月11日   岡本全勝

新宿駅西口の思い出横丁って、ご存じですか。先日夜9時過ぎに(ふだんは寝ている時間ですが、その日は意見交換会が遅かったので)、新宿駅を通りました。
地下通路で、迷っているような外国人に声をかけると、バス停がわからないとのこと。これは簡単に教えました。
次に目についた若い男女二人。声をかけると「思い出横丁に行きたい」とのこと。私は知らないので、スマートフォンで見せてくれました。ああ、あの西口にある、古くて、小さなな飲み屋がたくさん並んでいる場所だ。
「小さな、古い、日本の飲み屋だよ」と英語で言うと、イエスとのこと。新宿駅は工事中で出口が複雑なので、近くの出口(私が乗る丸ノ内線も近いので)まで案内しました。「どこから来たの」と聞くと、ギリシャからでした。
外国人観光客には、こんな場所も面白いのでしょうね。うまく座れたら良かったのですが。

高円寺駅前の商店街、古着屋さんが並んでいるのですが、ここも外国人観光客がたくさんいます。