2025年11月6日の朝日新聞オピニオン欄「政権交代論のいま」、飯尾潤教授の「政党中心で政策語れ、改革は未完」から。(紹介が今ごろになって、すみません。まだほかにも溜まっています)
―その政権交代の可能性を生み出すには二大政党制が不可欠なのですか。
「そうではありません。選挙による政権交代とは、有権者の投票で新たに信任を得た政党、もしくは政党連合が誕生することです。二大政党制のもとでの政権交代がある一方、多党制のもとでの『2大陣営』型の政権交代もあります」
「後者では、複数の野党が選挙前に連合を作って与党陣営と競い合います。事前に統一公約と首相候補者を決めたうえで選挙に臨めば、有権者は政策と政権と首相を同時に選べます」
―政治改革は二大政党制を目指すものだったという話をよく聞きますが。
「政治改革で衆院に導入されたのは、純粋な小選挙区制ではなく、比例代表制を組み合わせた制度でした。つまり当初から、小政党がなくなるようには設計されていなかったのです。二大政党制ではなく、2大陣営型による競争の方に適した制度と見るべきです」
―政治改革の目標は達成されたのでしょうか。
「政治家中心の政治を終わらせて政党中心の政治にすることが改革の狙いでした。政党中心になることで政策本位の政治が実現していくと考えていました」
「政党中心の利点は、体系立った政策を論じやすくなることです。個々の政治家の言う政策をただ束ねるだけでは、幅広い有権者をまとめうる政策、政権を取れる政策にはなりません」
「しかし政治は今も政治家中心のままであり、政策本位の政治を目指した政治改革は未完のままです」