12月16日の日経新聞夕刊に「近隣トラブル多様・複雑に 経験6割超、専門家が解決支援」が載っていました。具体的な事例も載っています。なるほどと思います。ご近所、同じ建物が故に、難しいです。
・・・マンションや戸建てを問わず居住者が近隣とのトラブルに頭を悩ます例が多様化している。引っ越し経験者の6割超がトラブルに見舞われたとの調査もある。警察などに頼るのが難しい「事件未満」の事案を含め、警察官OBや弁護士など問題処理の知見を持つ専門家の手を通じて解決を支援するサービスも広がる・・・
・・・都市部を中心に、生活音などの騒音、マナー違反、嫌がらせなどの近隣トラブルは深刻度を増す。不動産売買プラットフォームのFLIE(東京・中央)による引っ越ししたことがある20歳以上542人への調査(2025年3月)では約62%が「近隣トラブルを経験した」と回答した。
ハラスメント防止や精神的虐待行為からの立ち直り支援に取り組むNPOヒューマニティ(東京・中央)にも、多岐にわたる相談が舞い込む・・・
「事案が減らない背景は、隣人とのコミュニケーションの希薄化が一因」と同団体理事の小早川明子さんは説く。「昔の家庭のように、近隣の家を自由に行き来するような関係性なら、問題は起こらない。この時代ならではの現代病」とも強調する。
ただ、トラブルに明確な犯罪行為などが認められない限り、「民事不介入の原則」から警察などには対応してもらえない例がほとんど。マンションの場合は管理組合へ相談する手段もあるが、理事らも居住者であり、強い姿勢で実効性のある解決策に打って出るのは難しい。
こうした事態に対応しようと、ヴァンガードスミス(同・港)では、警察官OBが相談員として騒音や嫌がらせなど「事件未満」のトラブルの解決を支援する「Pサポ」を展開。加入していれば、月額550円で「気になる」程度の段階から何度でも相談できる。累計会員数は25年10月時点で327万人と、約2年前の2.7倍に増えた。
代表取締役の田中慶太さんは「高齢者やリモートワーカーが増え住人の在宅時間が広がった。在留外国人の増加も問題顕在化の要因」とみる。
小さな誤解が重なり、双方の感情が膨らむことで深刻化するといい、Pサポではトラブル対応に慣れた警察官OBがまず落ち着かせる。例えば、相手に悪意がないことや共感できる事情があることなどを伝え、解決支援に努める。法的な手段が必要な段階に至る前の鎮静化を図る。利用者からは「加入しておくと安心できる」との声が聞かれる。
トナリスク(同・豊島)が手掛ける「近隣トラブル仲裁サービス」では、身の危険を感じる状況に発展している場合に弁護士を紹介するなど、事案の内容に応じた専門家につなぐ。土地やマンションの購入前に近隣や周辺にトラブルのリスクなどがないか調べる近隣調査も扱う・・・