報道機関から、取材を受けたり意見を求められたりすることがあります。ときには、私の専門外のことや最近の動きに詳しくないこともあります。
「それは、私の専門外や」とお断りするのですが、「いえ、専門的な話は担当者から聞くので、大所高所からの意見が欲しいんです」と言われます。
なるほど。我が身を振り返っても、担当している仕事については詳しくなるのですが、それを外の人が見たらどう見えるかを忘れるときがあります。外部の視点の方が、問題点などを見つけることもあります。岡目八目とも言います。
「明るい公務員講座」では、目の前のことに集中せず、もっと広い視野で考えましょうということを、蟻の目と鷹の目と表現しました。あるいは、岡本全勝Aの後ろに、岡本全勝Bを置いて考えましょうとも。『明るい公務員講座』の表紙の帯は、それを絵にしてもらいました。
もっとも、広い視野とか大所高所からといっても、そう簡単に全体を読むことができるわけではありません。その分野にある程度精通していなければなりませんし、それを少し離れた場所から見るという能力も必要です。どうしたら、それを身につけることができるか。
そのためには、さまざまな分野をそれなりに知っている必要があります。いろんな経験を積むことと、本を読むこと、新聞を読むこと、様々な人の意見を聞くこと、そして物事を客観的に見る訓練をすることが必要なのでしょうね。
私が「違った視点から見る」ために心がけているのは、次の2つです。
1 時間軸。過去や未来と比べてみる
2 横軸。違った立場、諸外国から見てみる