広がる転職手法、民間サービス経由が4割

9月30日の日経新聞「広がる転職手法、民間サービス経由が4割」から。

・・・転職の手法が多様化している。国のハローワークの存在感が低下して民間サービスを経由した転職が約4割を占めるようになる中、主力の求人広告や人材紹介に加え、求人検索や、企業が求職者に直接アプローチするダイレクトリクルーティングなども増えた。活発になる転職市場を支えている。

厚生労働省の2024年の雇用動向調査によると、転職者の入職経路は広告が33%、縁故が22%、ハローワーク(ネットサービス含む)が18%、民営職業紹介所が8%となっている。ハローワークのシェアは低下傾向で10年前に比べ6ポイント下がった。民間の広告と職業紹介所の2部門合計は4ポイント高くなった。
民間が利便性の高いサービスと積極的な営業で攻勢をかけている。とはいえ手数料無料のハローワークは経営余力の乏しい中小・零細企業には大切な存在だ。働き手も失業保険の手続きなどで訪れる必要があり一定の需要がある。社会のセーフティーネットとしての役割も担う。

マイナビ(東京・千代田)では転職者を対象に、さらに具体的な転職関連サービスの利用状況を調査した。応募時に利用したサービスについて複数回答で聞いたところ、24年調査では求人広告などを掲載する転職サイト(32.6%)、人材紹介会社(19.3%)、ハローワーク(13.9%)の順に多かった。
これに求人検索エンジン(10.0%)が続く。リクルートグループの「インディード」が代表的だが、網羅的に求人情報を集めることができ「若者から中高年まで幅広く利用者がいる」(マイナビのキャリアリサーチ統括部)。
さらに「ビズリーチ」などのダイレクトリクルーティング(6.9%)も利用が広がる。登録求職者に企業側からアプローチする手法だ。採用難が続く中で企業は「攻め」の採用ができる。働き手も想定外の企業から提案を期待できる。

3〜5%台の利用率まで含めると、職場の雰囲気や経営者の声を伝えるSNS(5.5%)、退職者を再雇用するアルムナイ(4.1%)、商品利用者や愛好家などを集めたイベントを採用活動に使うミートアップ(3.2%)など多種多様だ。
一方、従来型の合同企業説明会(5.7%)の利用も根強い。企業の担当者と対面でやり取りできる強みがある・・・