経済対策の多義性?

自民党総裁選が告示され、候補者が政策を訴えています。特に目立つのが、「経済対策」です。
・・・自民党総裁選挙は、立候補した5人が記者会見に臨み、いずれも物価高に対応するため速やかな経済対策の策定が必要だという認識を示し、具体策をめぐって主張を展開しました・・・NHK「自民総裁選 5人が共同会見 いずれも“経済対策の策定が必要”

ところで、かつては経済対策と言えば、景気の落ち込みに対し需要を拡大して景気回復を目指す政策(景気変動対策)でした。ところが、今回話題になっているのは、景気は回復しつつあるのですが、物価が上昇しているのでその対策を打つということのようです。物価上昇が急激なときには、景気を冷やす対策(景気引き締め)が打たれました。しかし、今回はそうではありません。物価の上昇に比べ賃金の上昇が低いので、生活に苦しい貧困層に対して対策を打つことのようです。それは福祉政策であって、経済産業省の所管ではないと思われます。

これって、経済対策なのでしょうか。経済に働きかけるのが経済対策で、経済の結果に手当するのは経済対策とは言わないでしょう。経済学の教科書に出てくるのでしょうか。専門家の意見を聞きたいところです。
このホームページでは、先日、経済対策と産業政策の違いを提起しました。「経済対策と産業政策の違い」「経済対策と産業政策の違い2