7月26日の日経新聞に「日本人は座りすぎ がんや認知症のリスク増大」が載っていました。
・・・あなたは1日何時間座っているだろうか。運動不足は気にしても、自分の座位時間を意識する人は多くない。座位時間の長さは様々な病気や不調のリスクをもたらす。座りすぎの健康への影響と改善策を紹介する。
スポーツ庁の調査によると、運動不足を感じている人は約78%に及ぶ。「健康のためには運動」と考える人は多いが、実は「座位行動」も健康を大きく左右する。座位行動とは、覚醒時に座ったり寝転んだりしているときのエネルギー消費量が1.5METs(メッツ、運動強度の国際指標)以下の行動を指す。
日本人は世界と比べ総座位時間が長い。2013年の国民健康・栄養調査によると、男性の38%、女性の33%が1日8時間以上座っていた・・・
ついている図では、1日当たり座っている時間は、日本とサウジアラビアは400分を超えます。スウェーデンやカナダは300分、アメリカやインドは200分くらいです。アメリカの倍ですね。
という私も、仕事は椅子に座ってパソコンを使っていることが多いので、日中はほとんど座りっぱなしです。
・・・座位と健康はどのように関係するのか。早稲田大学スポーツ科学学術院の岡浩一朗教授は「様々なメタ解析で、座位行動により心血管疾患やうつ病、2型糖尿病、がん、認知症などのリスクが高まると報告されている」と指摘する。
座位リスクを下げるには、フィットネスクラブなどで運動するとよいと考えがちだが、そうでもないようだ。一般に運動はやや早歩きや軽い筋トレなど、3METs以上の中高強度の身体活動を指す。一方「1日の覚醒時間の行動割合をみた研究によると、中高強度の身体活動は3〜8%に過ぎず、大半は座位行動と3METs未満の低強度の身体活動の時間だとわかった」と東京医科大学公衆衛生学分野の井上茂主任教授は説明する・・・
・・・面白いデータもある。帝京大学大学院公衆衛生学研究科の天笠志保さんの研究によると「地域や年代にかかわらず、女性は低強度の身体活動が多く、その結果1日に占める座位行動の時間が男性より1割も少なかった」。井上さんは「女性の方が家事などでこまめに動く機会が多いためではないか」と推察する・・・
・・・在宅ワークの普及も、座位時間が増える要因だ。「通勤や通学では意識せずに低強度身体活動を増やす効用がある」(岡さん)。通勤中は立つ、買い物は車を使わず歩く、食後はすぐに後片付けに立つなど、日常生活で立ったり歩いたりのルーティンを組み込むことが大切だという・・・