「的」と「の」、日本語と中国語での使い方

日経新聞土曜日連載、阿辻哲次さんの「漢字そぞろ歩き」、7月26日は「中国語に交じる平仮名「の」の謎」でした。

・・・1990年代半ば、とある業務で何人かと中国へ出かけ、最初の用務先である河南省の省都鄭州についた時のことである。
夕方ホテルにつき、荷物を置いて、夕食にいい店を物色しながら大きな通りを歩いていると、同行の一人が大声で叫んだ。
「ほら、あそこ! 『大阪の夜』って書いてある!」
彼が指さす方を眺めると、大きな看板に金文字の行書体で「大阪の夜」と書かれていた。
鄭州でなぜ「大阪」なのかも不思議だったが、もっと驚いたのは、その看板にひらがなの「の」が書かれていたことである・・・

現在の中国、香港、台湾では、街中の看板やポスターにひらがなの「の」が氾濫しているそうです。
なぜ「の」が使われるか。日本語が格好良いと思われていること、「的」より書きやすいようです。発音は「的」を使うとのこと。

もう一つ勉強になったのは、日本語での「的」、現実的とか社会的の「的」です。
これは、英語のromanticなどにある-ticを音訳したのだそうで、中国にはない使い方とのこと。へえ。