今日は13年目の、3.11でした。日経新聞の社説「東北の復興支え次の震災に生かせ」に、私の発言を取り上げてもらいました。
・・・能登の復興で生かすべき東北の教訓は持続性の高い街づくりだ。観光などで民間投資を呼び込める地域産業のあり方と、人口減少を考慮したコンパクトな街づくりを構想することである。
宮城県女川町は居住地を高台に移し、港周辺で若い世代を中心に観光の街づくりを進めている。当初は住民が流出し、20年分の人口減少が数年で一気に進んだ。その後は観光地として投資や移住が増え、人口減は鈍化した。街の持続性は高まったといえよう。
東北の復興に携わった岡本全勝・元復興次官は「街の将来を担う若者のいる市街地や中心集落は残すべきだが、高齢者がほとんどの小さな集落は集約することもやむを得ない」と提言する。東北には300を超える集落移転の事例があり、参考にしてほしい。
東北では人口の見積もりが甘く、防潮堤が守る地区やかさ上げした土地に空き地が目立つ。自治体は住民をとどめようと復興を急ぐが、当初は戻りたいと考えた住民も冷静に将来を考える段階になると心境を変えがちだ。丁寧に住民の意向を確かめ、長期的な視点で街づくりを考えたい・・・