車椅子での看護専門学校入学

12月26日の朝日新聞夕刊に「夢の看護師へ、まず一歩 車いすの准看、専門学校合格」が載っていました。

・・・6年前に車いす生活となった准看護師が、夢だった看護師になるために来年の春から看護専門学校に通う。これまで2度受験した専門学校は不合格だったが、周囲の支えで受け入れてくれる専門学校を見つけた・・・

・・・大阪府富田林市の桂真梨菜さん(30)は2017年、24歳で准看護師になった。出産後に看護師を目指すつもりが、出産の際に下半身がまひし、車いす生活になった。リハビリの末、21年に車いすの准看護師として仕事に復帰し、決意した。
〈私は、患者さんに心から寄り添う看護師になる。車いすの私だからこそ、なれるはず〉
21、22年と面接試験のみの看護専門学校を受験したが、不合格に。拒まれている、と感じた。

日本看護協会などによると、日本には、看護師の資格を取ってから車いす生活になり働く人はいるが、車いすの人が看護師資格を取ったケースは把握していないという。厚生労働省によると、車いすの人が看護師になることに問題はない。
記者は昨年12月、この経緯を記事で紹介した。事態は展開する。
記事を読んだ国会議員が、受け入れの可能性がある学校を厚労省とかけあって、いくつか探してくれたのだった。
桂さんは今年1月、そのうちの1校に電話をかけた。夏のオープンキャンパスの時に問い合わせて、と言われた。
〈ダメかな〜〉。心を奮い立たせようと、モデルなどに挑戦。秋からは訪問看護の事業所に所属し、訪問准看として働き始めた。入試面接で「すでに車いすで訪問看護をしています」と言おうと思ったからだ。
個別に学校の人と話したいと考えた桂さんは10月、1月に電話した看護学校を訪ねた。大阪府泉佐野市にある泉佐野泉南医師会看護専門学校だ。
キャンパスを案内してくれた人に質問した。
「私は、車いすでは実習できない、と言われ続けてきました。懸念点はありますか?」
学校の人は言った。
「問題が起こるかもしれません。でも、起こったとき、みんなで解決に向けて考えればいい」
社会人入試は11月11日。1カ月間、国語や小論文を猛勉強。面接では、看護への思いを聞かれた。車いすに関わる質問は、なかった。
5日後の朝、自宅に合否発表の速達が届いた・・・