8月28日の朝日新聞に「外国人向け認可外施設、足りぬ「保育士」 日本の資格者確保 無償化の条件、滋賀県が緩和訴え」が載っていました。現行制度から漏れ落ちる人を、どのように拾い上げるか。原文をお読みください。
・・・約1万人のブラジル人が暮らし、製造業を支える滋賀県。外国籍の子どもたちの受け皿となっている認可外保育施設が、国の幼児教育・保育の無償化の基準見直しを訴えている。条件となる「日本の保育士資格を持つ職員」の確保が難しいためだ。外国人向けの保育施設が多い全国の自治体も、同じ事情を抱える。
滋賀県愛荘町のブラジル人学校兼保育施設「サンタナ学園」。1998年、日系2世の中田ケンコ校長(66)が始めた。保育施設には現在、0~5歳のブラジルやフィリピンの外国籍の子どもたち22人が県内8市町から通う。
2019年10月から始まった幼保無償化。認可外保育施設が対象となるには、保育士資格者の数や、子ども1人あたりの保育室の面積など、国の一定の基準を満たす必要がある。ただし、来年9月末まで5年間の猶予期間が設けられた。
学園では4年前から日本人スタッフが働き、日本語で書類作成をするなど基準を満たす努力をしてきた。しかし今秋行われる施設への立ち入り調査で、基準を満たせる見通しは立っていない。
最も高いハードルが、日本の保育士資格を有する職員を確保することだ。中田校長は「言葉の問題から、ブラジル人が日本の保育士資格を取るのは難しい。25年間続けてきたが、無償化が打ち切りになれば非常に厳しい」と話す。
学園に通う子どもや保護者の大半は、日本語が不自由だ。保育士には、ポルトガル語やブラジル文化の理解が欠かせない。ブラジルの教員資格を持つ職員が数人いるが、日本の保育士資格を持つ職員はパート1人。学園の規模では、最低2人の保育士が常勤勤務する必要があるという・・・