本土の沖縄論

5月16日の朝日新聞オピニオン欄「沖縄の語り方」、安里長従さんの発言から

・・・歴史をたどれば、薩摩藩による琉球侵攻は経済搾取でしたし、沖縄戦もあった。米統治下における人権の制限、復帰後も日米安全保障条約を維持するための装置としての沖縄振興の問題もある。歴史的に続く非対称な権力関係の中での貧困問題なのです。

本土の左派は沖縄に寄り添うと言いますが、日米安保に反対なので沖縄から本土への米軍基地移転に反対します。結果、基地は沖縄に置かれ続ける。沖縄の負担軽減が目的ではなく、自分たちの願望を実現するために沖縄を手段として語っているわけです。

ここには構造的な差別があります。本土が優先され、沖縄が劣後という構造的差別です。沖縄の貧困も基地問題も、「自由の不平等」という同じ根から生じた構造的な問題なのです。でも、本土の沖縄論はそこに触れません・・・