中立でない、いじめ調査の第三者委員会

6月16日の日経新聞に「いじめ調査委、揺らぐ中立 大半で教員ら学校側関与」が載っていました。
・・・重大ないじめに対応する調査委員会の信頼性が揺らいでいる。外部有識者だけで構成される例は少なく、中立性が疑問視され、経緯調査の進め方が問題になるケースが目立つ。原因究明が不十分では被害者保護や再発防止もおぼつかない。文部科学省は15日、いじめ対策を協議する有識者会議を開催。調査を担える人材のデータベース整備などの改善案を示し、対応を求めた。

2013年施行のいじめ防止対策推進法は、心身に重い被害を受けたり、長期欠席を余儀なくされたりしたケースを「重大事態」と規定。被害者側への丁寧な説明や再発防止策の検討をするため、学校や教育委員会が調査委を設けて原因を調べるよう義務付けた。
文科省は17年のガイドラインで調査委を第三者で構成するか、教員らを含むか、事案に応じ判断するよう求めた。実際は大半で教員らが加わっている。20年度の心身などに重い被害があった233件の調査のうち、第三者のみで調べたのは45件(19%)だった。
教育現場からは「学校の事情に詳しい教員らも参加した方がスムーズに進む事案は多い」(教委担当者)という声もある。しかし加害者を知る立場の教員らが調査主体に加わることに対し、被害者側が不信感を抱くケースも少なくない・・・

このような対応が、その場は切り抜けても、徐々に信頼をなくすのですよね。第三者委員会のいかがわしさについては、八田進二著『「第三者委員会」の欺瞞-報告書が示す不祥事の呆れた後始末』 (2020年、中公新書ラクレ)が参考になります。