これまで何度も講義や講演をしましたが、何度やっても、しゃべることは難しいです。まず、本人の実感と反省があります。「今日はうまく話せたな」「観客の受けがよかったな」と思うときと、「今日はいまいちだったな」と思うときがあります。他方で、研修講義などでは、参加者による評価が出ます。なかなか満点は、もらえません。
市町村アカデミーでの研修生による講師の評価を見ると、高い評価の講師とそうでない講師がいます。中には全員が高評価の講師がおられます。尊敬します。
他方で、研修生の評価が低い講師がいます。その理由は、研修生の聞きたいこととズレていた場合や、内容はよいのに講師の言いたいことがうまく伝わらなかった場合があるようです。
前者は、学校側が講師に講義の趣旨目的を十分伝えていなかったことも考えられます。これは、事前の説明と打ち合わせで防ぐことができます。
後者は、伝え方が下手なのです。いくつか型があります。
・資料を棒読みする講師。
・早口、小声で聞き取りにくい講師。
・内容を詰め込みすぎで、消化不良になる。結局何を伝えたいのかが分からない。
この3番目は、公務員によく見ることができます。私もよくやりました。今も、時々やってしまいます。
昔は「時間が余ったらどうしよう」と心配して、たくさんの内容を準備したものです。これは、ダメでした。たくさんのことを伝えたいと思うのが、逆効果になっています。過ぎたるは及ばざるがごとし。
その対策は、私の場合は、講義の最初に「今日はこれだけを持って帰ってください」と、要点を3つほど挙げることです。そして、思い切って資料を簡素化することです。
公務員の講師は、しばしば執務で使っている説明資料を投影して説明します。これは絶対ダメです。
パワーポイントの資料は文字数が多くて、投影されても聴衆は読み取ることができません。投影するなら、絵や写真で、文字なら3行ほどの要点にしましょう。たくさんの資料を伝えたい場合は、講義とは別に「持ち帰り資料」にするとよいです。