5月の日経新聞「私の履歴書」は漫画家の里中満智子さん、18日は「青年誌に挑戦」でした。
・・・少年誌と少女誌には、大きく違うところがあった。
少女誌は、読者の年代別にたくさんの種類があるのに対し、男性は、小学生も30代も、同じ雑誌を楽しむ。
私がよく仕事をした講談社の漫画誌を例にすると「なかよし」は小学生向けだから友情や親子関係、「少女フレンド」では中学生向けに初恋、高校生以上が読む「mimi」では恋の葛藤、など雑誌ごとに漫画を描き分けていた(「少女フレンド」「mimi」は1990年代に休刊)。しかし「少年マガジン」は、ほとんど全世代の男性が手にとっていた時期があった。
少年誌の編集者に、男性の世代別の好みの違いを尋ねたことがある。すると「違いはありません。男子にウケるシーンは全世代で同じです」との答え。「どんなシーン?」「闘って勝つ場面です」
笑ってしまった。常々、男女は平等であるべきだと願っている私だが、この2つの精神構造には、無視できない違いもあるのかもしれない。簡単にいえば、男はいつまでもロマンチスト。女はリアリストで、目の前の現実に関心がある・・・