国を挙げて取り組んでいる働き方改革。政府は法律を改正したり、補助金を出したりして誘導しています。それも効果を出しているのですが、制度改正だけでは進まない実態もあります。
4月21日の読売新聞解説欄に「改正育児・介護休業法 施行 男性育休増へ 企業も変革」が載っていました。
・・・改正育児・介護休業法が今月から施行され、子どもが生まれる従業員に育児休業(育休)制度を説明し、取得の意向を確認することが、全ての企業に義務付けられた。少子化の解消に向け、男性の育児参加を促すのが狙いだ。企業は、意識改革や働き方の見直しなど試行錯誤を始めている・・・
・・・育休は、原則、子が1歳になるまで認められる。男女を問わず取得でき、休業中は賃金の最大67%が雇用保険から給付される。
しかし、雇用均等基本調査によると、20年度の育休取得率は、女性が81・6%に対し、男性は12・65%にとどまる。育児や家事の負担が女性に偏り、2人目以降の出産意欲をそいでいるとの指摘もある。少子化の解消に向け、男性の育休取得の促進は急務だ。
厚生労働省の20年度の調査では、育休を希望しながら取れなかった男性は約30%だった。希望の有無にかかわらず取らなかった理由を聞くと、「収入を減らしたくない」が約41%で最も多かったものの、「職場が育休を取得しづらい雰囲気」も約27%に上った。育休を取った男性がいない職場では、取っていいのかわからないケースや、評価や昇進に影響すると不安に思うケースが指摘されている・・・
4月18日の朝日新聞生活面には、「有休取得、まだ欧州より低水準 2020年、取得率は過去最高だが…」が載っていました。
・・・有休は勤続年数などに応じて企業から付与される。厚生労働省によると、20年に従業員が付与された有休は平均17・9日。そのうち実際に取得したのは10・1日、取得率は56・6%で、いずれも調査を始めた1984年以降で最高だった・・・
・・・海外と比べるとどうか。旅行予約サイトのエクスペディアが21年、16の国・地域で約1万5千人を対象に調べた結果、日本の有休取得日数は12日で上から7番目、取得率は60%で下から3番目だった。
上位を占めたのは欧州で、ドイツは取得日数が28日、取得率が93%といずれも最多。フランスは25日で83%、イタリアは20日で77%だった。
一方、米国は取得日数が8日と最も少なかった。ただ、付与日数も少ないため、取得率は80%と高かった。
欧州に比べ、日本の取得率はなぜ低いのか。国が民間の調査会社に委託して21年9月、全国の正社員5千人を対象に調べたところ、46%の人が、有休の取得に「ためらいを感じる」「ややためらいを感じる」と答えた。
主な理由として「みんなに迷惑がかかる」「後で多忙になる」「職場の雰囲気で取得しづらい」との回答が多かった。十分な有休を取れるような職場の態勢や環境の整備が求められそうだ・・・
4月18日の日経新聞女性欄「男性育休「不安は昇進」 子育て世代が本音の座談会」には、育休取得経験のある男性156人への調査結果が載っていました。男性が育休を取りやすくなるために必要なこと」は、74%が上司の理解、64%が同僚の理解、53%が昇進や配置転換で不利にならないことです。