ぼんやり考える時間

物事を考えるときには、二つの状態があるようです。
一つは、ある課題を集中して考える場合です。試験勉強や、差し迫った仕事の課題を考える場合、締め切り間近の原稿を書く場合です。これは、皆さんおわかりでしょう。
もう一つは、ぼんやりと考える場合です。特段の課題はなく、締め切りもない状態です。新聞や本を読んでいて連想がわく。布団の中でふと思いつくことなどです。

不思議ですよね。課題があって考える場合は、それにつながりがあることを考えつくのは分かりますが、後者の場合は、何も焦点がないのに連想が続きます。かつての体験を思い出したり、ある風景を思い浮かべたり、音楽を口ずさみます。
私たちの脳は、いろんなことを、脈絡もなくミラーボールのように映し出しているようで、それを別の脳細胞が取り出すのでしょう。つながりがないように思えても、脳は何か「同じような映像の形」あるいは「ある鍵となる言葉」をつながりとして、ほかの記憶を呼び起こしているようです。

このホームページの記事の半分は、読んだ新聞や本、体験から主題を考えつきます。残りの半分は、ぼんやりしているときに「こんなことも記事になるなあ」と思いつくのです。
しかも、一生懸命考えている場合より、ぼんやりと考えている場合の方が、さまざまなことを思いつきます。布団の中、電車の中、職場での仕事の合間などです。
頭の中の引き出しから、いろんなことを引っ張り出すようです。もちろん、引き出しにいろんな記憶が入っていないと、取り出すことはできませんが。引き出しに入っているだけでは、出てきません。何が、引っ張り出すきっかけなのか。よく分かりませんね。
脳の働きと仕組み、推理の能力