1月15日の朝日新聞スポーツ欄に「9年前の激震地で進む改革 大阪・桜宮高校長「変わった姿をみて」」が載っていました。
・・・9年前のあの痛ましい出来事の舞台が、部活動改革の最前線を歩んでいる。
大阪市立桜宮高。
男子バスケットボール部主将が、顧問から受けた暴力などを理由に自死したことが明らかになったのが、2013年1月。スポーツ界で暴力撲滅への本格的な努力が始まるターニングポイントとなる激震だった。
以来、二度と同じことが起きない学校づくりを進めてきた。
生徒の約4割が人間スポーツ科学科。15の運動部活動は今も盛んで、全国大会や近畿大会に出る部も珍しくない。
「勝つことは目指します。でも、それ以上に、生徒が自分たちで考えられる力をつけることを、各部の顧問が意識しています」と森口愛太郎校長。勝利至上主義ではなく、生徒主体のプロセスを重視することで、暴力との決別を図ってきた・・・
・・・そんな中、桜宮高では昨年11月から休日に都島区の中学生を対象としたスポーツ体験会を始めた。バスケットボール、サッカー、バレーボール、陸上、ボートの五つ。各部の顧問と部員たちが手本を見せ、アドバイスなどをする。11月は93人、12月は52人の中学生が参加した。
これは中学の部活動を地域に委ねる実践研究の一環だ・・・
・・・桜宮高も歓迎する。「授業の一環でもあるコーチングの実践になる」という同校の指導者の声が、今月13日に開かれた市の有識者会議でも報告された。高校生が下の世代の指導に携わり、その難しさと面白さを知る。勝つことだけでない、スポーツを通じた視野が広がる。
森口校長は言う。
「どこかで体罰事案があれば、今もうちの名前が出る。それは仕方ない。だからこそ、ありのままを見ていただきたいのです。これだけ変わってきたということを」・・・