若者が話せる居場所をつくる

10月8日の読売新聞解説欄に「孤立させない 若者に「居場所」」が載っていました。
・・・中学高校生や20~30歳代の若者が安心して過ごせる「居場所」をつくる動きが、各地に広がっている。家庭の事情や友人関係の悩みを抱えて孤立した状態が続くと、高校中退や就労が困難な状況につながるケースも少なくない。行政と民間団体が連携し、多様な若者支援のあり方を考えていく必要がある。
スタッフや他の利用者とおしゃべりしていると、気が楽になる。家族についての愚痴も言いやすい」
さいたま市のNPO法人「さいたまユースサポートネット」の交流スペースを利用する男性(34)は語る。中学生の頃にいじめに遭い、学校を休みがちだった。高校卒業後はアルバイトなどをしていたが、心身のバランスを崩し、自宅から出られない日々が続いた。現在は就労継続が困難な人を支援する福祉作業所に通っているが、同居する親も経済的に苦しく、家族関係に悩みを抱える・・・

・・・「いじめなどをきっかけに自信を失い、家庭環境に恵まれないなど、様々な『生きづらさ』を抱えて相談の場に来る若者は20歳を過ぎていることが多い。学校を卒業すると社会との接点がなくなり、その期間が長いほど復帰に時間がかかる傾向がある」。さいたまユースの副代表で元公立中養護教諭の金子由美子さんは、そう話す。
特に高校を中退すると、正社員での採用が難しく、公的なサポートを受ける機会も減る。「地域の結びつきが薄れる中、家族自体が孤立し、支援が届かないケースは多い。必要に応じて福祉や医療、就労支援などに結びつける居場所をもっと増やし、周知していく必要がある」と金子さんは訴える・・・

・・・中学高校段階で早期のサポートにつなげることも大切だ。学童保育や児童館がある小学生までに比べて放課後などの受け皿が手薄なことに加え、ひとり親などで困窮する世帯や家族の面倒をみるヤングケアラーが増えている状況もある。
最近注目されているのが、NPO法人などが高校内で生徒を対象に開く「カフェ」。自宅でも教室でもない「第三のスペース」で、相談員やボランティアが雑談を通して生徒と信頼関係を築き、必要に応じて学校にも連絡し、適切な支援につなげる・・・