7月17日の読売新聞夕刊「とれんど」、穴井雄治・論説副委員長の「ワクチン以外にも政治を」から。
・・・東京五輪の開幕を目前に控え、56・8%の人が「オリンピックは結構だが、わたしには別になんの関係もない」という選択肢に同調したという。
1964年大会に関する世論調査である。近現代史研究者の辻田真佐憲さんは、近著『超空気支配社会』(文春新書)でこの結果を紹介し、日本の黄金時代を象徴するようなイメージは「六四年の幻想」だと指摘している・・・
・・・ワクチン接種を加速させる必要があるが、ほかの懸案が先送りされかねないことは気がかりだ。菅首相は自民党の二階幹事長に「ワクチン一本で行きたい」と語り、二階氏は「政治も政局もすべてワクチンだ」と応じたという。
たとえば、私権制限のあり方、緊急時の病床確保策、国と地方の役割分担など、コロナ禍で突きつけられた課題は多い。利害が絡み合う構造的な問題の解決こそ、政治が取り組むべき仕事である。
立憲民主党は、酒の取引停止問題で西村経済再生相を追及しているが、閣僚の辞任を成果と考える発想では物足りない。「ゼロコロナ」などと夢想せずに、具体的な改革案を示してもらいたい。
秋までに衆院選がある。空気だけで政権を選択する、というわけにはいくまい・・・
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