6月25日の朝日新聞に「警察庁、対サイバー体制強化 局新設方針 自ら捜査へ直轄隊」が載っていました。
・・・警察庁は24日、サイバー攻撃やサイバー犯罪に対処する体制を強化するため、関係の部門を集約した「サイバー局」を新たに設ける組織改編の構想をまとめた。警察庁が直接捜査する「サイバー直轄隊」も設置する方針で、捜査権限は都道府県警が持つという従来の警察のあり方から踏みだすことになる・・・
日本の国家警察(国家公安員会、警察庁)は、実働(捜査や逮捕をする)部隊を持たない警察です。警察活動の権限は都道府県警が持ち、警察庁は都道府県警を指揮監督するとされています。皇宮警察は例外です。
戦前は、警察は内務省の組織で、国家警察でした。戦後の改革で、市町村警察になり、その後に都道府県警察になりました。国には国家公安員会とその特別の機関である警察庁がありますが、部隊を持っていません。
戦前の反省で、国家警察が実働部隊を持たないようにしたのでしょうが、欠点もあります。総理や大臣の警護を、東京都の公安委員会(警視庁)が行っています。東京都の外に出ても、警視庁の警護官が同行し、現地の警察と協働で警護するのです。国外に行くときも同行します。
各県警の幹部は国家公務員で、その多くは警察庁からの出向です。自治体の幹部が国家公務員というのは、現在の国と地方の役割分担(分権)の中で、たぶん唯一だと思います。
都道府県をまたがるような犯罪は、各県警が連携を取れば対応できます。しかし、サイバー犯罪のように、犯人の場所が特定しにくい犯罪、国外からの犯罪には、各県警では限界があります。あの連邦制のアメリカでも、連邦捜査局FBIがあります。イギリス警察も、近年改革があったようです。