6月9日の日経新聞「入社2カ月後の壁 どう乗り切るのか」、曽和利光」人材研究所代表の発言から。
――1年目で転職を考える人も多そうです。
「ミスマッチの度合いは人によって異なるが、早期の転職は勧めていない。根性論ではなく、自身のステップアップのためだ。転職の際には前職での経験が能力につながっているか問われる」
「早期に転職を決意する人の中には、今の仕事に飽きたことを理由に挙げる人もいる。ただ、実際には飽きているのではなく、そもそも現在の仕事が身についていないことが多い。仕事が身についてくると『飽きる』というネガティブな感情が湧き起こる前に、すらすらと仕事をこなせるようになるためだ。転職を通じてステップアップを望むなら、半ば無意識でも仕事をこなせる領域に達した後の方がよい」
――現在勤める会社で帰属意識をもって前向きに働くためには?
「新社会人のうちは、信頼する上司に黙ってついていける環境が必要だ。こうした環境は本来会社が整備することが前提だが、難しい場合は自分でメンターになるような上司を見つけないといけない」