「ある思想家とその時代、以前、以後」の続きです。かつて、「内包と外延、ものの分析」「内包と外延、ものの分析、2」を書いたことがあります。
・・・あるものごとを解説したり分析する際に、そのものごとの内部を深く分析します。これを内包的分析と呼びましょう。もう一つは、そのものごとが社会でどのような位置を占め、どのような影響を与えたかを分析します。これを外延的分析と呼びましょう・・・
周囲(社会)の評価。歴史上の意義。ヨーロッパにおけるキリスト教の意義を理解するのに、聖書と教会を研究しただけではわかりません。どのように社会に受け入れられたか、どのように社会に影響を与えたかの研究が必要です。
日本の官僚が、この30年間で地位を落としたことを理解するには、官僚と行政の中を研究してもわかりません。社会における役割や評価が変わったことを研究する必要があります。
内に向かって深く掘り下げてもその意味はわからず、広く外の世界の中に位置づけてこそ、その意義がわかるのです。