追悼、岡本行夫さん

岡本行夫さんが、お亡くなりになりました。
ニュースを聞いたときは、「嘘だろう」「誤報であって欲しい」と思いました。岡本さんの業績は、各紙が伝えているとおりです。ここでは、個人的な思い出を書かせてください。

私は、湾岸戦争の時の官僚らしからぬご活躍(砂漠で活動する日本製四輪駆動車を手配すること)から、尊敬しました。東日本大震災では、「希望の烽火」でその発想力と実行力に驚かされました
その頃から、親しくしていただきました。仕事でも、励ましてもらいました。大先輩に褒められ、評価してもらえることは、とてもうれしかったです。後輩を育てようという、親心だったのでしょう。

私とは10歳違い、また外交と内政と畑が違うのですが、とてもかわいがっていただきました。海に音楽にと、いろんなことに誘ってもらいました。
異業種の先輩たちがたくさんおられる会合で、突然「全勝さん、あいさつしてよ」とご指名を受けました。そんなときに、私は勝手に「行夫の弟です」と名乗っていました。行夫さんも、「似てない弟です」と笑っておられました。

2月から、春陽堂のウエッブ小説に、「スーパーフィッシュと老ダイバー」を連載しておられました。初めての小説で、長年撮影してきた海中と陸上の写真を入れる「フォト小説」とのことでした。「見るように」とのご指示がきて、きれいな写真とともに楽しみにしていました。行夫さんにしか書けないような、内容です。

ややはにかんだような、相手に気配りをした話しかけ方。大先輩とは思えない物腰に、ついつい甘えてしまいました。高倉健さんに似た男前。広い視野と冷静な考察、そして熱血漢。時差をものともせず、また夜遅くでも元気な体力だったのに。
もう、お目にかかれないかと思うと、残念です。ご冥福をお祈りします。