連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第42回「日本は大転換期―経済発展で「一億総中流」の社会に」が、発行されました。
前回に引き続き、昭和後期の社会の変化を、私の体験を元にお話ししています。村の暮らしが、豊かになる前と後でどう変わったかです。この60年間の変化は、私にとっては、ついこの間のことなのですが、若い人にとっては半世紀も前のことです。えらい昔のことだと、思われるでしょうね。
統計数字に続いて、私の体験を書いたのは、その時代を生きた者の「実感」を伝えたかったからです。豊かで便利になっていく実感、さらに豊かで便利になるであろうという期待です。それは、豊かさを実現した社会では、感じることのできない感覚です。そしてこれは、統計では表すことはできません。
私たちより年上、さらに私たちより少し下の世代の人までは、この実感を覚えています。そして、日本が元気で輝いていた時代を。そこからの転換、考え方の転換が遅れているというのが、次の話になります。