年別アーカイブ:2019年

連載「公共を創る」第24回

2019年11月9日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第24回「公私二元論から官共業三元論へ 公私の区分」が、発行されました。

今回から、第2章「暮らしを支える社会の要素」に入ります。
第1章では、東日本大震災を素材に、町を再建するには何が必要かを考え、再チャレンジ政策を素材に、成熟社会日本の課題を考えました。
第2章と第3章では、これらの議論を発展させて、私たちが暮らしやすい社会とは何か、それを誰がどのようにしてつくるかを、議論します。

第24回では、まず社会とは何か、そして社会と行政との関係を考えます。そのために、公私の区分を議論します。
公私の区分には、2つのものがあります。一つは、国家を公とし、市民社会や市場経済を私とする区分です。もう一つは、その市民社会の中で、世間を公とし、家庭を私とする区分です。

参考に、サッチャー元イギリス首相の有名な言葉「社会など存在しません」を紹介しました。うろ覚えだったので、回顧録で見つけようかと思いましたが、インターネットの検索ですぐに出てきました。サッチャー財団のサイトなので、確かです。便利なものです。

短かった秋、2

2019年11月9日   岡本全勝

先日この欄に、「今年は秋が短かった」と書きました。
昨日、NHKニュースを見ていたら、9日土曜日と10日日曜日の天気について「土曜日曜が両日とも晴れるのは、8月以来」と伝えていました。

そうだったのですね。
私たちは、気温や服装とともに、休日の外出で季節を感じます。今年の秋は、行楽日和が少なかった(なかった)のです。
これは、行楽地にとっても、それを楽しみにしている子供や家族にとっても、悲しいことでした。
最近、孫と公園に行っていない理由が分かりました。

給料、悪平等からの脱却

2019年11月8日   岡本全勝

11月5日の日経新聞「迫真 IT人材争奪戦 年収3000万円の衝撃」から。

・・・メーカーから小売りまで様々な企業によるIT人材の奪い合いが、終身雇用や報酬制度まで変えつつある。
「会社は本気で変わろうとしている」。そんな思いを胸に川上雄也(33)は英NTTの関連会社でクラウド開発に打ち込む。NTTコミュニケーションズの技術者だったが、管理職になり現場を離れる将来に幻滅し、3月に退職しようとした。
しかし最先端の現場にいながら厚待遇も権限も得られる人事制度ができると慰留された。今は給与も3割増しの1千万円超だ。高度技術者だと認められれば、年収は最高で3千万円になる。
新卒を大量採用して手厚く育てるNTTグループは、IT人材の供給源だ。NTT社長の澤田純(64)は「研究開発人材は35歳までに3割がGAFAなどに引き抜かれる」と打ち明ける。経済産業省によると米国ではIT人材の平均年収のピークは30代で1200万円超だが、日本では30代は520万円程度だ。

「データが3千万円まで引き上げるらしいぞ」。18年末、NTTデータの新たな人事制度を報じるニュースが流れると、ソニー本社は揺れた。最も大きな危機感を抱いたのは人事部門だった。
新卒に月40万円を払うという中国・華為技術(ファーウェイ)の発表があったばかり。シニアゼネラルマネジャーの宇野木志郎(47)は「まさに『NTTデータショック』。電機各社の賃金に対するモードが変わった」と振り返る。
宇野木は横並びだった初任給を見直し、すぐさま能力主義に変えた。19年度から優れた人工知能(AI)技術を持つ新卒社員には年130万円上乗せし、同期の平均の2割増の730万円となる。「言い方は悪いが、これまでが悪平等だった」と宇野木は吐露する・・・

・・・ただ、急速な変更は社内でのあつれきも生む。
19年3月までの1年間で、NECグループから約3000人が早期退職などに応じて去った。ある50代男性社員は「大量リストラをして若手には優遇か」と憤る・・・

新卒一括採用、年功序列、終身雇用という「日本型雇用慣行」は、崩れつつあります。世界で戦うためには、必要なことです。
もちろん、仕事の成果以上に給料をもらっていた人には、つらい時代になります。しかし、そのような不合理はもはや維持できません。成果を上げているのに、若いが故に給料が低い人から見ると、「ようやく是正されるか」と喜ばしいことでしょう。

長期の社会政治課題を議論する、大平総理研究会

2019年11月8日   岡本全勝

11月4日の日経新聞オピニオン欄に、芹川 洋一・論説フェローが「今ふたたびの大平研究会 望まれる長い目の政治」を書いておられました。
大平正芳総理は、総理に就任すると民間有識者による政策研究会をつくり、合計9つの長期的な政策を議論し、提言をまとめました。田園都市、環太平洋、家庭基盤、総合安保、文化の時代などです。

この研究会が活動した頃、私は官僚になったばかりでした。
学生時代に、月刊誌『諸君』が、硬派の議論を展開して多くの支持を得ていました。それまでの論壇は、月刊誌『世界』に代表される、理想主義的左派の議論が主流でした。それに対し、より現実的な議論、日本のあるべき論でした。

大平研究会の主題が現在、重要な課題になっていることに、改めて驚きます。
中長期的な課題を取り上げ、それを議論する。その方向を国民に示し、政策を実行することも、政治の重要な任務です。選挙の際のマニフェスト(選挙公約)も重要ですが(最近、はやらなくなりました)、もっと長期の課題と対策です。
沿岸部を航海するときは、岸を見ながら船を進めればよいですが、大洋を航海するときは海図が必要です。

クレジットカードが使えない

2019年11月7日   岡本全勝

サイゼリヤ」ってご存じですか。イタリア料理のファミリーレストランです。全国に千店以上があるようです。

先日、利用しました。お手軽で、高校生も使っているようでした。
問題は、食事を終えて支払いをするときです。なんと、クレジットカードも電子マネーも使えません。
いまどき、全国展開しているこれだけのレストランで、現金が必要とは。驚きました。

最近は、スイカがあれば、ほとんどの支払いができます。よかった、その日は現金を持っていて。若い人には、笑われますかね。
現金を持っていなかったら、どうするのでしょう。皿洗いをして、労働で返すのかな。