年別アーカイブ:2019年

ポピュリズム権威主義

2019年11月26日   岡本全勝

11月25日の読売新聞文化欄、神保謙・慶應大学教授の「論壇キーワード」は、「ポピュリズム権威主義」でした。

・・・グローバルな民主主義の後退が10年以上にわたり続いている。国際NGOフリーダムハウスによれば、過去13年間連続で権威主義体制が興隆し、民主主義体制の国々でも政治的自由度が低下するか、体制自体が瓦解するというトレンドが続いている。これら民主主義体制の瓦解には、ケニア、ロシア、タイ、トルコ、ベネズエラといった戦略的重要度の高い国々が含まれる・・・
・・・かつての民主主義の瓦解は、軍事クーデターと戒厳令による統治権の剥奪はくだつや、選挙による代表制の停止など、唐突な形での政治体制の転換が多くみられた。しかし今日の民主主義の後退は、むしろ民主的手続きを経て信任されたポピュリスト政治家が、徐々に司法の独立を制限、報道規制を強化、市民の政治的自由に介入し、権威主義化を進めていくモデルが目立っている。これを「ポピュリズム権威主義」もしくは「ポピュリズム独裁」と呼ぶ・・・

・・・ポピュリスト政治家が権威主義化を進める現象は、民主制が根付いた国家にも広く及ぶようになった。米国のトランプ大統領、ハンガリーのオルバン首相、ブラジルのボルソナーロ大統領、フィリピンのドゥテルテ大統領など例に事欠かない。欧州・アジア・ラテンアメリカにおけるポピュリスト政党や政治家の伸長も、さらなるポピュリズム権威主義の予備軍となっている・・・
・・・新興国の権威主義体制は経済成長の果実とIT技術による統治強化を携え、社会の自由をますます制約しながら権力の強靱きょうじん性を強めているようにみえる。先進国の民主主義はグローバル化に対する反動と、低成長期の分配政治の限界を抱え、反エリート主義を掲げるポピュリストが権力を握る傾向が顕著となっている。こうした動向から、経済発展が民主化を促し定着させるという近代化仮説は、その役割を終えたとする議論すらある・・・

夫婦げんかに「勝たない、勝てない、勝ちたくない」

2019年11月26日   岡本全勝

NHK News UP「妻には “勝ちたくない”?」(11月22日掲載)を教えてもらいました。詳しくは、原文を読んでいただくとして。
「全国亭主関白協会」なるものがあるそうです。そして、関白の意味するところは、「もともと関白は天皇を補佐する役目。夫は関白となって常に支えるというのが、正しい解釈ですよ」とのこと。ここからして、既に、夫は妻に負けています。

その団体が提唱している「非勝三原則」があります。夫婦げんかに「勝たない、勝てない、勝ちたくない」です。(苦笑)
私をはじめ、世の中の多くの男性は実行しているはずです。あるいは、まだ気がつかず、ムダな抵抗をしているのかも。

ところで、11月22日の「いい夫婦の日」を提唱したのは、財団法人の余暇開発センター(現在の日本生産性本部)で、時期は昭和63年だったそうです。この「いい夫婦の日」も嘘くさいですね。1年で1日だけいい夫婦なんて・・・。

参考「亭主関白型から平等家庭へ、この半世紀の大転換

フランシスコ教皇との集い

2019年11月25日   岡本全勝

今日は、総理官邸で行われた「ローマ教皇と要人及び外交団等との集い」に、出席してきました。
82歳のフランシスコ教皇は、お元気でスピーチをされました。ラテン語で話されるのかと思ったら、スペイン語でした。私は、同時通訳を聞きました。教皇庁のホームページでは、数カ国語で載っていました。
教皇の11月23日から26日までの日本滞在中の日程を見ると、多彩な行事に出席され、とてもきつい日程のようです。そして26日には日本を発って、ローマに戻られます。

ところで、法皇と教皇。どちらも正しいようですが、教皇と呼ぶようにしたようです。

被災地企業支援「結の場」

2019年11月25日   岡本全勝

復興庁では、被災地域の企業が抱える多様な経営課題の解決を図るため、大手企業等が、技術、情報、販路など、自らの経営資源を幅広く提供する支援事業の形成の場として、「地域復興マッチング『結の場』」を実施しています。

11月11日には、福島県いわき市で行いました。どのようなものか、資料をご覧ください。被災側企業が14社、支援する側の企業が42社です。ありがとうございます。

ルフェーブル「1789年―フランス革命序論」

2019年11月24日   岡本全勝

ルフェーブル著「1789年―フランス革命序論」(1998年、岩波文庫)を読みました。いつか読みたいと本棚で寝ていたのですが、突然読みたくなって。
フランス革命など著名な歴史的事件については、知っているようで知らないですね。かつて読んだことは、忘れていますし。
この本は事件の経過を書いたものではなく、1789年の出来事を4つの時間、4つの意味に分けて説明します。

1つめは、アリストクラート(貴族と高位聖職者)の革命です。王権に対して、自らの地位を高めるべく挑戦します。三部会の開催は、ここから始まりました。
しかし、三部会を開くとなると、アリストクラートの意向だけでなく、ブルジョワジーが発言力を高めます。第2期は、ブルジョワジーの革命に移行します。
ところが、彼らが時間をかけて議論していることに対し、民衆がしびれを切らして行動に移します。元は、パンの値段が高くなったことです。不満は、バスティーユ監獄襲撃になります。もっとも、知られているように、バスティーユ監獄にはそれだけの政治的意味のある囚人はとらわれていなかったのですが。こうして、意図せず、第3期の民衆の革命に移行します。
さらに、地方での民衆の動きに波及し、第4期の農民の革命にまで広まります。

シナリオなき歴史の展開は、読む人を引き込みます。
このように、どのような主体がそれぞれの意図に沿って動き、それが結果としてどのような意味をもったかを説明します。議会の中での議論が革命を進めたのではないことがよくわかります。それまで書物と違い、民衆までを含めた点に、この本のもつ意義があったようです。

こうして、半年の間に、誰もが予想しない展開になってしまいます。後知恵ですが、先を見越して途中で、王や貴族たちが妥協しておれば、ここまで進むことはなかったでしょう。しかし、事前に識者たちが考えていた「自由や平等を実現する政治形態」を超えて、王政廃止に進むのです。
そして、この本で書かれた1789年の後には、王やたくさんの政治指導やたちの処刑が続きます。いったん動き出した革命は、さらにとんでもない混乱になってしまいます。

ルフェーブルがこの本を書いたのは、1939年。フランス革命150周年記念としてです。フランスは、第2次世界大戦直前です。学術的論文と言うより、国民への啓蒙のため、迫り来る危機の前で、フランス革命が目指した自由と平等を再確認したいという意図があったようです。
訳文も読みやすいです。もっと早く読んでおくべきでした。