12月3日の日経新聞、「強気デスク、上司に緊張 取材班、「心見える化」試す」から。あなたなら、どのような数字が出ますかね。
・・・テクノロジーで人間の心や精神の動きを浮き彫りにする「新しき理解者」が登場し始めた。個人の内面までをも数字で表すデータ化の波に、私たちはどう向き合っていくべきか。取材班は実際に最先端技術を試してみた・・・
・・・10月下旬、取材班は繊維メーカーのミツフジ(京都府精華町)から「ストレス値を計測できるシャツ」を貸してもらった。社内でも「気性が荒い」と評判の男性デスク(44)が真っ先に手を挙げ、そのままオフィス内で着用し始めてしまった。
シャツは胸部の裏地に「電極」となる銀繊維が縫い込まれている。これで心拍や心電データなどを測り、シャツに付けた小型送信機でスマートフォンにデータを送る。「ストレス値」は100点満点で見える化され、アプリでリアルタイムに確認できる・・・
・・・我らがデスクはどうか。計測し始めた途端、ストレス値は95と出た。会社が嫌いなのだろう。彼は気持ちを落ち着けるため、後輩記者と冗談を交わし始める。数値は38まで急降下した。
だがその10分後。直属の上司に声をかけられ、デスクのストレス値は再び89に急上昇した。上司がよほど苦手なのか、こわもてなのに案外かわいい。
デスクは「ストレスは自分では意識したことがなかった。数字で見えるのは面白い」とのこと・・・
・・・デスクの実験は1週間続いた。当初「家族といる時に数値が上がったらどうしよう」と心配していたが、休日は20~30台で安定。彼にとっても家は安息の場とわかりほっとした。
ただ実感と食い違うこともあったようだ。デスクが深夜、気分転換にマージャンゲームをやり始めると数値は95に跳ね上がった。勝負事に臨む緊張感がストレスと分析されたのだろう・・・