4月28日の朝日新聞オピニオン欄「カイシャの会議」が面白いです。
本文を読んでいただくとして、いくつか現場の声を紹介します。
・・・同じ議事で3回会議があります。親会社の幹部職のみで1回。組合の役員を入れて1回。関連会社を入れて1回。さらに各部署でその内容の報告会議のようなものも、存在します。1回で済ませろよとの印象を受けます。会議が仕事だと思っている人間が多過ぎです。どこかで聞いたようなセリフですが、会議室で問題が起こっているのではありません。現場を見てみろよ!・・・
・・・部局構成員全員で集まる会議が毎月あります。会議中、私語や内職・居眠りもよく見られ、長時間多人数を束縛してまで集まる意義を感じられず、座っているのが苦痛です。見直す動きが出てきて欲しいです・・・
末松千尋・京都大経営管理大学院教授の発言から。
・・・会議とは、明瞭かつダントツに、その企業の体質が見える場所です。10年ほど前、業務に関わるコミュニケーション全般の効率について調査しているときにそれに気付き、数値化して検証しました。
対象にしたのは、意思決定や業務執行の管理をする会議。実際に国内19企業の会議を調査し、会議の設計の明確さや、設計通り進められる体制かなどを検証しました。具体的には、目的は明確か、どこまで決めるかを設定しているか、進行役が決まっているか、終了時間が守られたか、決定事項がその後きちんと執行されるかなど、67項目について採点し2014年に発表しました。その結果は見事に業績と比例しました・・・
・・・欧米の伝統的な大企業では、リーダーシップを軸にした運営が主流です。社内のトップから現場まで、各階層に明確な責任と権限を与えたリーダーを配置。各リーダーは部下から情報と提言を広く集め、最後は個人の責任で取捨選択する。合意形成に基づかない意思決定は迅速で、リーダーが有能なら機能的です。
一方で近年、米シリコンバレーのIT企業に象徴される新興企業に、合意形成を軸とした運営形態が出てきました。彼らの勢いを見れば、リーダーシップ型より発展性が高い形態と考えられます。ただし、合意を重んじる運営は一歩間違えれば何も決まらず、迷走します。成功している彼らの会議を見ると、議事進行のスキルは卓越しています。
一方で実際、日本では合意形成が尊重されてきましたが、そのためのルールも社員の自覚も足りず、停滞する企業が多いように思います・・・
会議が目的になっていますね。対策は、拙著『明るい公務員講座 仕事の達人編』P44をお読みください。今日この会議で何を決めるのか、何を伝えるのか、目的を最初に明確にしておくことです。それが明確でない場合は、主催者か責任者が、会議をやめることです。