大熊町の避難指示一部解除

原発事故被災地の大熊町で、避難指示が一部解除されることになりました。
避難指示が出た市町村では、放射線量の低下、除染、生活環境の再開によって、順次避難指示が解除されています。全町避難が続いているのは、原発に最も近い双葉町と大熊町です。そのうち、大熊町の一部で、避難指示が解除されます。

町の中心部は放射線量が高く、今回解除するのは、そこから外れた地域です。町長が、町の中心部は放射線量が低下し復興するには時間がかかると判断され、早い段階で大川原地区での復興を先行することを決断されました。そこで、田んぼであった地域に、町役場や住宅をつくることにしました。役場や住宅も、ほぼ完成しています。来月には、役場も開所します。
現在は、約100キロ離れた、会津若松市に避難しているのです。
8年前を思い出すと、こんなに早く一部解除ができるとは、思いもできませんでした。

もっとも、今回の避難指示解除は、ごく一部地域でしかありません。町の中心部の復興には、まだ時間がかかります。また、意向調査では、住民の6割が「戻らない」と答えています。
お隣の双葉町は、まだ全町避難が続いています。来年の今頃には、JR常磐線が開通します。それに合わせて、双葉駅を再開させ、駅前の道路も開通させる予定です。そして、その周辺を復興させる計画です。
放射線の残る地域では、一気に復興とはいかず、順次の進捗になります。