今年も3.11の前後は、様々な行事や報道がされました。
ある記者によると「去年より多かったのではないですか」とのこと。指摘されると、そのような気もします。
8年という区切りに、例年と違う要素はないのでしょうが。一つには、平成という時代がまもなく終わることについて、平成を振り返る企画が多いことも、関係しているのかもしれません。
さて、復興状況は紹介したので、少し長い視野で考えてみます。
この大震災の経験から、後世に引き継ぐものは何か。次の3つがあると思います。
1 大震災へ対応する「機能」
阪神・淡路大震災では、政府の初動対応のまずさが、批判されました。その経験から、官邸の危機管理体制、自衛隊をはじめとする緊急出動などが強化されました。東日本大震災では、その訓練が生かされました。
そして今回は、広域の支援、プッシュ型の支援などのほか、借り上げ仮設住宅の活用、全国に避難した人たちへの支援、孤立防止、新しいまちづくり、産業再開支援など、これまでにない暮らしの再建に向けた対応が取られました。NPOや企業による支援もです。
この「機能」を、次の災害に活用するべきです。すでに、熊本地震などでは、活用されています。
2 防災・減災「意識」
国民の防災、減災意識も、重要です。
まずは、逃げる。防潮堤は、すべての津波を防いでくれるわけではありません。
どこに逃げるか、事前考え、訓練しておくこと。数日は生き延びることができるように、生活物資を備蓄しておくことです。
我が身は、自分で守らなければなりません。
この意識を、伝えなければなりません。
3 大震災の「記憶」
災害遺構や、アーカイブ、書物などによって、この災害を語り継いでいかなければなりません。
この地域は、かつて大きな津波災害に遭っています。しかし、時代が経つとともに、忘れ去られていたのです。
災害遺構を残し、この災害を後世に語り継ぐことも重要ですが、私は、上の1と2が重要だと考えています。