10月5日の日経新聞オピニオン欄、パスカル・ラミー前WTO事務局長の「自由貿易の土台 まず国内から」から。
・・・米欧で自由貿易への反発が広がるのはなぜか。痛みを感じる弱者が適切に扱われていないからだ。グローバル化の勢いが増す一方で、弱者を救済する社会システムが衰えている。ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭は、国内の問題に原因がある。
だから保護主義を封じ込めるには、求められる努力の80%程度を国内に向けなければならない。労働市場や失業保険、年金・医療などの問題を解決する必要がある。これらは世界貿易機関(WTO)が取り組む課題ではない。
残りの20%は国際的な努力だ。貿易自由化のルールブックを更新せざるを得ない。先進国は互恵的な自由貿易を志向し、途上国には非対称性や柔軟性を認めるというのが、WTOの方針だった。だが貧しい国民が多い先進国もあれば、豊かな国民が多い途上国もある。いまの二分法が正しいかどうかを検証すべきだろう・・・
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