小川剛生著『兼好法師』(2017年、中公新書)が面白いです。徒然草で有名な吉田兼好ですが、私たちが知っている経歴は間違いなのです。この本は、兼好の実体に迫ります。推理小説みたいです。
吉田という姓も嘘だそうです。後世、吉田家が「箔を付ける」ために、ねつ造したとのこと。なんと。
どのようにして、700年前の人物の実像を明らかにするか。お寺に残っていた古文書(仏教の経典)の裏に、兼好が書いたと思われる手紙が残っていたのです。紙が貴重な時代、裏を再利用して教典を書き写したのです。
この本は、徒然草の解説書ではありません。兼好法師とは誰かの、推理です。
面白いですよ。