河北新報の復興庁5年の連載に、登場しました。
2月11日は、「司令塔 評価と課題(中)変質」です。
・・・「自由主義経済の日本の哲学を変え、新たな災害復興の形を創った」
復興庁の岡本全勝前事務次官は2016年6月21日、退任の記者会見で強調した。
従来の概念を覆し、産業やコミュニティー再生にも国費を投入した東日本大震災からの復興。発生直後から政府の事務方を仕切り、先導したのが岡本氏だ。「霞が関の治外法権」と庁内外で呼ばれた。
現場嫌いと前例踏襲。官僚の習癖が非常事態の障壁になると感じた岡本氏は、被災地に職員の視察派遣を何度も繰り返した。
「仮設住宅の前では、きれい事だけでは通じない。何らかの答えを出さざるを得ないはずだ」。狙いは当たり、グループ化補助金など前例のない施策が省庁から提案される。岡本氏は首相や与党幹部と掛け合い、実現の道筋をつけた・・・
2月12日は「司令塔 評価と課題(下―1)前復興庁事務次官 岡本全勝氏に聞く」です。
・・・復興庁の5年間の取り組みをどう評価するか。
「全体的に及第点をもらえると思う。職員が何度も被災地を訪れ、被災者と首長の意見を聞き、信頼関係を築いた。インフラ再建に限定された従来の災害復旧から踏み込み、産業、コミュニティーの再生も担った」
「国が手を出さない分野や省庁間の隙間を埋めた新たな施策は、霞が関の司令塔、調整役として機能した証しではないか。グループ化補助金はコペルニクス的な発想転換であり、東京の大手企業と被災地の企業をつなぐ民間コンサルタントのような役割も果たした」・・・
・・・過疎化が進む中、巨費を投入しての高台移転に将来を懸念する声がある。
「離島から山奥まで道路、上下水道、学校を整備したのが、戦後の日本という国のかたち。憲法には書いていないが、上位概念にあると思う。どこに住んでも普通の暮らしをさせることが戦後の行政。東日本大震災の復興は、その延長線にある。費用対効果で測れない、国のかたちだ」・・・
詳しくは、原文をお読みください。