見波利幸著「心が折れる職場」(2016年、日経プレミアムシリーズ)が、勉強になります。
あなたも、職場で鬱になった人や、症状が昂じてやめた人を見たことがあるでしょう。私も、残念ながら、そのような部下を、何人か見てきました。連載「明るい公務員講座」を書いている趣旨の一つも、そのような人を出さない、そのような職場にしたくないことです。
この本の著者は、その道の専門家です。個別ケースは匿名としつつ、生々しい実例が紹介されています。同じ職場でも、鬱になる人ならない人。次々と部下を不調に追い込む上司。切れ者なのに、部下が壊れてしまう上司。長時間勤務がうつ病と比例しないこと。中途半端な研修が、逆効果であることなど。通説と逆のことが、たくさん紹介されています。その点でも、勉強になります。
部下指導に悩んでいる中間管理職には、必読です。「明るい公務員講座」と共通することも書かれています。もっとも、「自分は大丈夫だ」と自信がある上司が、危ないのですが・・。