復興庁は、各省から職員に来てもらっています。宮内庁を除く全省庁からです。また、民間人も多いです。やっている仕事は、これまでにないこと、またこれまで行政がやっていないことに手を広げています。千年に一度の大災害と戦っているのです。法律と補助金を配るだけでは、この地域の活力は戻りません。インフラを復旧しただけでも、人は戻りません。
職員は、だいたい2年勤務して元の省に戻るのですが、復興庁の経験を聞くと、それぞれに新鮮だったと答えてくれます。何人かの感想を、私なりに整理してみました。
・徹底した現場主義、現場との近さに驚きました。合計××回出張しました。
・総理大臣、大臣など政務職幹部との距離の近さとスピード感が、すごいです。次官室や統括官室が、近かったです。
・役所らしくない仕事が多いです。コーディネーターのような業務、イベント屋のような仕事もありました。
・親元の省では付き合うことのない様々な団体(大企業、中小企業、NPO)と付き合うことができました。
・単にお金を出すだけでない支援の在り方。政府持っている情報と信用力を活かした仕事を、勉強しました。
・各省庁をはじめ民間企業・自治体からの出向者の寄り合い所帯という特殊な組織形態でしたが、様々なバックグラウンドを持つ人と一緒に仕事をできたことが勉強になりました。
・視野が広くなり、自らのキャリア形成を考える上でも、大変貴重な経験を積むことができました。
そうですね。このように、これまでにない仕事、現場に行くこと、さまざまな出自を持つ職員と一緒に仕事をすることを、楽しいこと勉強になることと思ってもらえると、うれしいです。これを、嫌だなあと思うと、仕事が楽しくなくなります。
社会は、行政・官僚だけで成り立っているのではなく、企業や町内会、NPO等から成り立っています。行政の世界に閉じこもっていては、仕事になりません。