4月10日の朝日新聞が、「3・11後、私は変わったか」というインターネットによるアンケート結果を載せていました。詳しくは記事を読んでいただくとして。気になったのは、「何も変わらない。ただむなしさだけを感じています・・」といった意見があることです。
私は拙著『復興が日本を変える』の「はじめに」で、次のように書きました。
・・・「東日本大震災が大きな被害をもたらしたのに、日本社会は変わっていない」という人もいます。しかし、私は、この言い方について、次の2つの面から疑問があります。
まず、大災害が起きたら、社会は変わるものでしょうか・・・社会に大きな衝撃を与え、国民の意識を変えたとしても、それだけでは社会は変わりません。その衝撃をきっかけに、国民が行動を起こし仕組みを変えなければ、日本社会は変わりません・・・
・・・次に、東日本大震災によって、日本社会は実際に変わったのかどうか。私は、日本社会は変わったし、変わりつつあると考えています。その中で、私たちには今、何をどのように変えようとしているのかが、問われているのです。「大災害が起きたら社会は変わる」というだけでは、何がどう変わるかがわかりません・・・
この投書の方が、どのように社会や自らを変えようとされたのか、またそのためにどのような努力をなさったのか、わかりませんが。待っているだけでは、社会も個人も変わりません。社会や政治は、私たち個人の「敵」でもなく、誰か別の人たちが作っているものでのありません。私たちが作るものです。「何をしても変わらない」というのは、無常観の表れでしょうか。「何も変わらない」というのは、誰かが変えてくれるのを待っているのでしょうか。