行政の構造的課題から続く
(2)これまでの対応=行政改革
次に、このような問題に対し、どのように対応してきたか、しているかを述べましょう。
①行政改革の歴史
【別紙4】拙著「省庁改革の現場から」p161
これまでは、「総量規制:膨張抑制」「小さな政府:国営企業を民営化」でした。今取り組んでいる行政改革は、一歩踏み込んで「システム改革」です。すなわち、地方分権で地方を自立させる。規制改革で、民間への介入を小さくする。最後に、省庁改革で行政本体を変える。
②行政改革の分類と位置付け
小泉改革は多くの課題に取り組んでいます。覚えきれないくらい。私なりに「行政改革」「構造改革」を分類すると、こうなります。
【別紙5】「省庁改革の現場から」p218
③よりよいアウトプットを目指して
ア 組織改革
器の改革=省庁改革
各省横断的会議【別紙6】
イ 政治主導(省庁改革)
副大臣・大臣政務官
経済財政諮問会議
ウ 仕事の改革1=仕事の目標や仕方の改革
情報公開、政策評価、行政手続法など
エ 仕事の改革2=分権改革・規制改革
【別紙7】「新地方自治入門」p244
オ 人の改革=公務員制度改革
これが、手つかずのままです。
4 もう一つ先の改革へ
(1)官僚(国家)に期待される役割の変化
①日本社会の成熟、国家(行政)目標の達成
20世紀型行政の終了、21世紀型行政への転換
【別紙8】「新地方自治入門」
②国家統治の「かたち」の変更
国家の運用・行政の運用
ア 政治と行政の関係→「政と官」
イ 中央政府と地方政府の関係→「地方分権」
ウ 官と民間との関係→「規制改革」
「行政改革会議最終報告」平成9年12月(第1章 行政改革の理念と目標 )
(2)官僚はそれに答えているか
①官僚の問題
ア 「官僚批判」に答えているか
イ 発言や政策提言をしているか、議論する場はあるか
②仕組みの問題
ア 養成の問題(採用・昇進・退職後)
イ 大学教育(法学部教育の有効性)
ウ 研究(日本の行政の解説書、研究書は)
参考文献
中央省庁改革については、拙著「省庁改革の現場から-なぜ再編は進んだか」(2001年、ぎょうせい)
戦後日本の政治と行政については例えば、山口二郎著「戦後政治の崩壊-デモクラシーはどこへゆくか」(2004年、岩波新書)
日本の行政の現状と課題については、拙著「新地方自治入門-行政の現在と未来」(2003年、時事通信社)
地方分権(三位一体改革と日本の政治行政改革)については、拙著「地方財政改革論議-地方交付税の将来像」(2002年、ぎょうせい)、拙稿「進む三位一体改革」(月刊『地方財務』2004年8、9月号)、
「続・進む三位一体改革」(月刊『地方財務』2005年6月号)