グロービスの堀義人さんの政策提言「100の行動」で、復興が取り上げられました。「「職」「町」「人」の面で新たな東北復興ビジョンを描け」(10月10日)です。藤沢烈さんに教えてもらいました(10月13日の記事)。
・・復興庁によるがれき処理、除染作業、社会インフラの再建などは徐々に成果を上げ、東北地方では数値上では雇用環境が改善されているとはいえ、依然として厳しい状況が続いているのが実態だ。
深刻なのは、被災地からの人口流出が止まらないという事実だ・・なぜ人口流出が止まらないのか。それは、被災地に高付加価値産業が少なく、求人者が望む職業が少ないからだ・・優秀な人材やUIターンで地元に戻りたいと考える人々も、東北に戻ることができず、そのために雇用が集まらず、地域の疲弊が止まらない。震災以前から直面していたこの課題が、震災後、一層深刻さを増しているといえよう。
復興は、単に「震災前の町を元通りに作り直す」というようなインフラの再整備にとどまってはならない。被災地において、将来にわたって、持続可能な地域社会が構築されることこそが、真の復興である。その鍵は「職」「町」「人」だ・・
として、職=仕事づくり、町=持続可能なまちづくり、人=人材育成について、具体的な提言をしておられます。
また「官・民・NPOの役割分担を明確化し、着実な連携を」として、次のように書いておられます。
・・東北の復興に向けては、国などの官が主導するのではなく、企業やNPOなどの民間が主導していくことが重要だ。
政府は、官民連携の基盤づくりのため、昨年12 月 に「新しい東北」官民連携推進協議会を設立 (会員数は約700 団体)し、各種の情報共有や連携基盤の構築につとめている。それ以外にも、2014年7月に「東の食の実行会議」が仙台で開催されるなど、東北の復興を進めるNPOなどを応援、支援する場は多く立ち上がっている。
さらに、今年度NPO等が活用可能な政府の財政支援は、復興庁のまとめによると、25事業、数え方にもよるが予算合計は1000億円以上の財政支援措置メニューがそろえられている。
これらの場とメニューによって、企業、NPO、行政の連携を強化することが課題だが、現状では必ずしも足並みが揃っていない。「場」は確かに立ち上がっているものの、実際の連携プロジェクトは生まれてこない。課題は、行政、企業、NPOの役割分担の明確化と、全体状況を把握し、NPOの力を適材適所に配置・調整する機能の強化だ。
このため、社会におけるNPOの役割・在り方を社会的に明確に認識することとともに、セクターや地域を越えて連携を強化するコーディネーターが必要だ・・
ぜひ、原文をお読みください。
私は、インフラ復旧だけでは、町の復興や暮らしの再建はできないと主張してきました。『被災地から見える「町とは何か」』(共同通信社のサイト「47ニュース、ふるさと発信」2012年8月31日)。世間の共通認識になってきました。次の課題は、堀さんも主張しておられるように、コーディネートです。これは、藤沢さんも、「お金でも制度でもない、被災地には人材が足りない」(毎日新聞のサイト「キーパーソンインタビュー」9月8日)と主張しておられます。