誤報を書く新聞

岩波書店のPR誌『図書』11月号に、佐藤卓己さんが「誤報事件の古層」を書いておられます。戦前の朝日新聞が、どのような誤報を出したか、またそれを隠蔽したかを解説しています。会ってもいない人とのインタビュー記事をでっち上げたり、それを自慢する風潮もあったようです。間違ったという誤報でなく、嘘を書いたという誤報です。面白いですが、新聞の役割を考えさせられます。
誤報の他にも、新聞やマスコミの「罪」が起きるあります。それは、「書くべき事柄を書かない」という場合です。社会の木鐸として、警鐘を鳴らすべき時に、知らないふりをすることは、大きな罪です。専門誌や雑誌なら、「ある分野に特化しているので」と言い訳できますが、新聞は社会の問題全般をとらえることも大きな役割です。

今週と今月が終わりました

今日は10月31日の金曜日。今週も、怒濤のような1週間が終わりました。10月29日の記事を、ご覧ください。その後の木曜日と金曜日も、会議や打ち合わせが続き、自分の時間が取れませんでした。出勤を30分早めたのですが、その程度では処理しきれませんでした。月曜日に来た電子メールに、今日返事を書いたりして。すみません。
そして、私に断りもなく、10月が終わってしまいました。困ったものです。10月は、落ち着いて仕事ができる月です。結構、仕事は進んでいるのですが、やらなければならないこと、やりたいことがたくさんありすぎて。夜の異業種交流会が続くと、読みかけの本がなかなか終わりません。時間が経つのが、早すぎます。巨人に圧勝したタイガースは、ソフトバンクにあっけなく負けてしまうし。明日から3連休。皆さん、良い休日をお過ごしください。私も・・・。

ブラジルの経済社会変化

10月28日の読売新聞国際面に、ブラジル大統領選挙結果の解説が載っていました。現職のルセフ氏が接戦の末に再選されたのですが、ブラジルの社会変化を背景に、政権の課題が解説されています。
それによると、現在の与党である労働者党が政権を取った2003年には、人口の過半数が低所得者で、中間層は4割にも満ちませんでした。それが2014年には、低所得層は25%に減少し、中間層が6割に達しました。政権による貧困対策、経済対策が成功したのです。記事には、変化を示す棒グラフもついています。一目瞭然です。
この急激な変化に驚きます。たぶん、かつての高度成長期の日本と同じでしょう。この経済発展によって、国民は豊かになり、平等にもなりました。しかしそれは、個人の生活だけでなく、家族のあり方や国民の意識も、大きく変化させます。それによる戸惑いや軋轢に、どう対応するか。これが大きな課題になっているでしょう。そして、政権としては、これまでの貧困層から中間層へと、支持基盤を変えていく必要があります。これは、難しいことです。

国会審議など

今日は午後から、参議院復興特別委員会の審議でした。大臣の所信表明と先日の被災地視察を受けての質疑です。新大臣にとって、初めての質疑でした。いろんな角度からの質問が出ます。
私は、昨晩(28日)、福島視察から上野駅について、それから職場に帰って(そんなことはめったにしないのですが)、職員が作ってくれた答弁案を確認しました。職員に見つからないように執務室に入ったのですが、めざとく見つけた職員(O君他)が、「ちょっと良いですか」と、別件でゲリラ攻撃をかけてきました。
でも、20時過ぎには、お腹をすかせて、家に帰りました。お風呂に入ろうとして服を脱いだら、そんなときに限って、携帯メールが鳴るのです。その後は、日付変更線をまたぐまで、電子メールで部下とのやりとり。私は自宅で仕事をしていますが、職場で残って作業をしている職員に感謝します。
朝は、8時半から、アメリカの研究者と京都大学の研究者さんの、インタビューでした。というか、その時間に変えてもらいました。質問は、どのようにして復興庁ができたのか、どのように復興庁を作ったのか、何が良くて何が悪かったのかなどです。当時の実務を仕切った坂本参事官にメモを出してもらい、記憶を呼び戻しながら、答えました。
手前味噌ですが、被災者支援本部、復興本部、復興庁は、良くできた組織であり、うまく運営し、よく仕事をしたと、自己評価しています。もちろん、職員たちが頑張ってくれたからです。最初は、こんな大きな組織になるとは、思っていませんでした。「小さな本部で良いのに」と考えていたのです。反省。予告しているように、いずれこの経験は記録に残します。原稿に着手しているのですが、続きまへんわ。
今週は、月火と出張、今日は国会対応と、自分の時間が取れません。電子メールと資料がたまり、職員との打ち合わせは延期しと、たくさん仕事を後送りしました。ごめん、今日相手できなかった職員諸君。

福島県、復興への取り組みの評価

10月27日の朝日新聞「福島知事選の解説」に次のような出口調査結果が載っていました。10月26日の投票日に、90か所の投票所で、4,250人から回答を得たものです。
それによると、佐藤雄平知事が進めてきた復興対応への評価は、「評価する」と答えた人が66%、「評価しない」は28%です。汚染土などを保管する中間貯蔵施設の建設計画を受け入れた県の方針についても、71%が「賛成」、「反対」は22%でした。かなり高い評価だと思います。