9月6日の読売新聞が、アメリカで、オバマ米大統領が指名した大使人事の承認が議会で進まず、46か国もの大使が承認待ちのまま不在となっていることを紹介しています。
国際機関の大使や特使らを含めると、上院で大使級人事の承認待ちは、61人です。一部の人は、外交に縁のない大統領の友人や政治資金提供者を政治任命したものですが、そうでない職業外交官も40人います。1年以上待機中の人もいて、平均で7か月だそうです。フランス、韓国、トルコにも、アメリカ大使がいません。日本のケネディ大使が早期に承認されたのは例外です。
国内での政治の争いが、外交(外交官の任命)に及んでいるのです。制度的には、大統領と議会がともに国民によって選ばれる二元制、外交官の任命が議会承認にかかるという仕組みが、このような混乱を生んでいます。もちろん、大統領の政治力(世論支持を含む)や議会の「良識」によって、通常は顕在化しないのでしょうが。